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年内3回の利上げ、依然あり得る=米フィラデルフィア連銀総裁

2016年04月13日(水)00時57分

 4月12日、ハーカー米フィラデルフィア地区連銀総裁は、年内3回の利上げは依然あり得るとの考えを示した。写真はワシントンのFRB建物、昨年9月撮影。(2016年 ロイター/ Kevin Lamarque)

[フィラデルフィア 12日 ロイター] - ハーカー米フィラデルフィア地区連銀総裁は12日、年内3回の利上げは依然あり得るとの考えを示した。米連邦準備理事会(FRB)は追加利上げに踏み切る前に、米経済が堅調に推移し、インフレ率が2%の目標に向かって加速しているとの一段の証拠が得られるまで待つ必要があるとの見解を示した。

総裁は講演後に記者団に対し「(年内3回の利上げは)可能だ」とした上で、昨年第4・四半期と今年第1・四半期にみられた国内総生産(GDP)の弱さが一時的なものか、それともトレンドかを見極める必要があると指摘。すべての会合で「(利上げ決定の)可能性はある」とし、今後入手できる指標に基づき判断していくと述べた。

総裁はこれに先立って行なった地元の経済団体向けの講演で「明確な政策見通しを示すことはできないが、2度目の利上げを行う前に、インフレ指標が一段と力強さを増すまで待つことが賢明となるかもしれない」と述べた。

また米経済のファンダメンタルズが引き続き健全で、失業率低下に伴いインフレ率が加速すれば、下期に「金融政策を真に正常化できる可能性がある」との認識をあらためて示した。中国経済の減速とドル高が自身の見通しに対する下振れリスクとした。

米景気については慎重ながらも明るい見方を示し、インフレ期待が目標からかい離している兆候が出ているとは思わないと述べた。

ただ2008年以降、インフレ率は2年を除き常に目標を下回っている状況が続いているとして、FRBの信認を維持するためにも、利上げには慎重姿勢で臨む価値があるとの認識を示した。

ハーカー総裁は来年、投票権を持つ連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーとなる。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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