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ドル下落、FRB議長発言で利上げ予想後ずれ=NY市場

2016年03月30日(水)07時27分

 3月29日、終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が同日の講演で、利上げを「慎重に」進めることが依然として適切だと発言したため、次の利上げ時期の予想が後ずれし、ドル売りにつながった。写真はワシントンのFRBの建物。2014年10月撮影(2016年 ロイター/Gary Cameron)

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が29日の講演で、利上げを「慎重に」進めることが依然として適切だと発言したため、次の利上げ時期の予想が後ずれし、ドル売りにつながった。

ユーロ/ドルは1週間余りぶりの高値を付けた。終盤は約1%高の1.1302ドルで、過去11営業日で初めて1.13ドルを上回った。

ドル/円は、欧州時間に一時およそ2週間ぶりの高値となる113.80円まで上昇する場面があったが、直近は0.6%超安の112.72円。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時8営業日ぶりの安値となる95.103に沈み、終盤は0.83%安の95.145となった。

イエレン議長の発言は、2週間前の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見以来。米経済の回復を脅かす要素に対して警戒感を示し、よりタカ派的だった最近の他のFRB高官の見解に異を唱えるような形になった。

これを受けてフェデラルファンド(FF)金利先物が見込む7月の利上げ確率は、前日の51%から43%に低下した。

TJMブローカレッジの外国為替共同責任者、リチャード・スカローン氏は議長発言について「間違いなくハト派的だった。利上げ回数をより少なくする方向に動かす新たな材料だ」と指摘した。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリスト、オマー・エジナー氏は「先週、何人かのFRB高官が予想よりもずっとタカ派的な発言をした点を踏まえ、多くの市場関係者はイエレン氏も姿勢を変えると見込んでいたが、実際にはそうならなかった」と述べた。

ドル/円 NY終値 112.68/112.71

始値 113.64

高値 113.69

安値 112.61

ユーロ/ドル NY終値 1.1289/1.1293

始値 1.1205

高値 1.1303

安値 1.1179

*内容を追加しました。

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