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米利上げは年内2回想定、軌道緩やかに=シカゴ連銀総裁
3月22日、シカゴ連銀エバンズ総裁、年内2度の利上げを想定していると発言。昨年撮影(2016年 ロイター/Jim Young)
[シカゴ 22日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、年内2度の利上げを想定していると述べた。経済指標が大きく上振れるか、インフレ率が予想以上に加速しない限り、米連邦準備理事会(FRB)は緩やかな利上げ軌道にあるとの認識を示した。
総裁は講演後、記者団に対し「個人的には見通しに基づき、年内2度の利上げを見込んでいる」と話した。指標の状況に左右されるため、具体的な時期は言えないとした。
インフレ率は1.75%に加速するとの見方を示し、2%に近付いているとの一段の証拠を確認したいと述べた。インフレ率が目標の2%を一時的に上回っても気にしないとし、仮に2.5%に加速しその水準が続くようなら、FRBは金融政策を少なくとも中立、おそらく抑制方向に調整する必要があるだろうと述べた。
同総裁はシカゴのシティクラブで行なった講演で、FRBが先週の連邦公開市場委員会(FOMC)でインフレ率が目標とする2%に向かって上昇していると自信を深めるまで利上げを待つとの姿勢を示したことは「適切」だったと指摘。
前回利上げを行なった昨年12月時点と比べて3月は見通しに対するリスクが増大しているとの判断から今回のFOMCでは利上げが見送られたと説明し、FRBは現在「様子見」姿勢をとっていると述べた。
その上で「こうした姿勢を維持することは、経済成長の継続、労働市場の一段の改善、賃金のさらなる上昇を確実にするために適切な態度で、これらすべてがインフレ率を目標の2%に押し上げることに貢献する」と述べた。
同総裁はFRBが様子見姿勢を解き、利上げに踏み切る時期については予想は示さなかったものの、自身よりも明らかにタカ派的なFRB当局者の説得にもはや苦慮していないと明言。
FOMCメンバーの金利予測の分布を示す「ドットチャート」について、「以前は自分が適切と考えるよりも制約的と感じていたが、今はかなり適切であると感じている」と述べた。
エバンズ総裁はFRB内ではハト派として知られ、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)では投票権を持たない。
*内容を追加しました。