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安倍首相、予算成立後に執行前倒し指示へ=政府・与党筋
3月19日、安倍晋三首相は、3月末にも2016年度予算に計上した公共事業などの執行前倒しを関係閣僚に指示する方針であることを複数の政府、与党関係者が明らかにした(2016年 ロイター/Issei Kato)
[東京 19日 ロイター] - 安倍晋三首相は、3月末にも2016年度予算に計上した公共事業などの執行前倒しを関係閣僚に指示する方針だ。複数の政府、与党関係者が明らかにした。世界経済の情勢を見極めながら5月下旬の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)前後に追加経済対策の可否も検討し、停滞する経済のたて直しを図りたい考えだ。
予算執行の前倒しは、公共工事や備品購入などに基金事業を加えた10兆円超が対象になるとみられる。過去最大となる96.7兆円の16年度予算が参院で可決・成立した直後に、安倍首相が表明する方向で調整に入った。
早期執行に伴い、16年度後半の需要喚起を念頭に置いた経済対策も検討する。
2月下旬の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、中国景気の減速などで不透明感の漂う世界経済のてこ入れに向け、財政出動を含め、あらゆる政策を総動員することで合意した。
16年1―3月期の国内総生産(GDP)が2四半期続けてマイナス成長になるとの懸念から、与党内からは「最低でも5兆円の対策が必要」との声が浮上。伊勢志摩サミットを開催する5月下旬前後に可否を判断する。
財源の裏付けとなる16年度補正予算案については、今年秋の臨時国会に提出する公算が大きい。
(編集:田巻一彦)