ニュース速報

ビジネス

ECB、3月理事会でリスク拡大の考慮必要=ドラギ総裁

2016年03月02日(水)03時37分

3月1日、ドラギECB総裁はユーロ圏の物価動向は想定より弱まっており、ECBは3月の政策見直しでリスク拡大や不透明性を考慮する必要があるとの認識を示した。写真は2月15日、欧州議会委員会で証言するドラギ総裁(2016年 ロイター/Yves Herman)

[フランクフルト 1日 ロイター] - ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は1日、ユーロ圏の成長、インフレ見通しは弱まっており、ECBは3月の理事会で経済見通しの悪化を考慮する必要があるとの認識を示した。3月1日付の欧州議会宛ての書簡で述べた。

総裁は「新興市場国の経済成長見通しをめぐる不透明性の高まりや金融・商品(コモディティ)市場の変動、地政学リスクに伴い、(3月の政策)見直しにおいて、当初見通しへの下方リスク拡大という背景に目を向けなければならない」と指摘。

「こうした環境の下、ユーロ圏のインフレ動向は引き続き想定よりも弱まっている」と述べた。

ユーロ圏の景況感、購買担当者景気指数(PMI)関連統計はこのところ下振れが鮮明だ。またコアインフレ率も鈍化しており、原油安が他の財・サービスに波及する二次的影響の兆候が出ている。

総裁はこうした状況を踏まえ、3月の理事会では、インフレ鈍化による潜在的な二次的影響に関して一段と深い分析を行うと表明。必要なら行動することをためらわないとした。

「正当化された場合、理事会は様々な政策手段を有しており、インフレ率を中期的に2%弱とする目標の達成に向け、われわれが責務の範囲内においてどこまで金融政策手段を講じる用意があるかに制限はない」と述べた。

市場では、ECBが3月の理事会で中銀預金金利をさらに10ベーシスポイント(bp)引き下げマイナス0.4%とすると予想されている。だがその他の緩和措置については見方が分かれており、現在月額600億ユーロとなっている資産買い入れ枠の拡大や、預金金利に複数の階層を設ける案などが取り沙汰されている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、UNRWAとの関係解消を国連に正式通告

ワールド

プーチン大統領、モスクワで北朝鮮外相と会談 1分間

ビジネス

米企業、株安で経営トップ交代加速 後任探しは旧態依

ビジネス

米製造業新規受注、9月は前月比0.5%減 2カ月連
MAGAZINE
特集:米大統領選と日本経済
特集:米大統領選と日本経済
2024年11月 5日/2024年11月12日号(10/29発売)

トランプ vs ハリスの結果次第で日本の金利・為替・景気はここまで変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大人気」の動物、フィンランドで撮影に成功
  • 2
    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王子の映像が話題に...「不幸なプリンセス」メーガン妃との最後の公務
  • 3
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄道計画が迷走中
  • 4
    「生野菜よりも、冷凍野菜のほうが健康的」...ブロッ…
  • 5
    ネアンデルタール人「絶滅」の理由「2集団が互いに無…
  • 6
    在日中国人「WeChatで生活、仕事、脱税」の実態...日…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    「これぞプロ」 テイラー・スウィフト、歌唱中のハプ…
  • 9
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 10
    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…
  • 1
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大人気」の動物、フィンランドで撮影に成功
  • 4
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 5
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 6
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符…
  • 7
    脱北者約200人がウクライナ義勇軍に参加を希望 全員…
  • 8
    世界がいよいよ「中国を見捨てる」?...デフレ習近平…
  • 9
    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…
  • 10
    「第3次大戦は既に始まっている...我々の予測は口に…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 7
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中