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ECB、3月理事会でリスク拡大の考慮必要=ドラギ総裁
3月1日、ドラギECB総裁はユーロ圏の物価動向は想定より弱まっており、ECBは3月の政策見直しでリスク拡大や不透明性を考慮する必要があるとの認識を示した。写真は2月15日、欧州議会委員会で証言するドラギ総裁(2016年 ロイター/Yves Herman)
[フランクフルト 1日 ロイター] - ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は1日、ユーロ圏の成長、インフレ見通しは弱まっており、ECBは3月の理事会で経済見通しの悪化を考慮する必要があるとの認識を示した。3月1日付の欧州議会宛ての書簡で述べた。
総裁は「新興市場国の経済成長見通しをめぐる不透明性の高まりや金融・商品(コモディティ)市場の変動、地政学リスクに伴い、(3月の政策)見直しにおいて、当初見通しへの下方リスク拡大という背景に目を向けなければならない」と指摘。
「こうした環境の下、ユーロ圏のインフレ動向は引き続き想定よりも弱まっている」と述べた。
ユーロ圏の景況感、購買担当者景気指数(PMI)関連統計はこのところ下振れが鮮明だ。またコアインフレ率も鈍化しており、原油安が他の財・サービスに波及する二次的影響の兆候が出ている。
総裁はこうした状況を踏まえ、3月の理事会では、インフレ鈍化による潜在的な二次的影響に関して一段と深い分析を行うと表明。必要なら行動することをためらわないとした。
「正当化された場合、理事会は様々な政策手段を有しており、インフレ率を中期的に2%弱とする目標の達成に向け、われわれが責務の範囲内においてどこまで金融政策手段を講じる用意があるかに制限はない」と述べた。
市場では、ECBが3月の理事会で中銀預金金利をさらに10ベーシスポイント(bp)引き下げマイナス0.4%とすると予想されている。だがその他の緩和措置については見方が分かれており、現在月額600億ユーロとなっている資産買い入れ枠の拡大や、預金金利に複数の階層を設ける案などが取り沙汰されている。
*内容を追加しました。