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米12月個人消費支出は横ばい、貯蓄率3年ぶり高水準

2016年02月02日(火)01時09分

 2月1日、米商務省が発表した昨年12月の個人消費支出は前月比横ばいで、市場予想の0.1%増を下回った。写真は米年末商戦の様子。2013年11月撮影。(2016年 ロイター/ Jonathan Alcorn)

[ワシントン 1日 ロイター] - 米商務省が1日発表した昨年12月の個人消費支出は前月比横ばいで、市場予想の0.1%増を下回った。自動車の購入が減ったほか、季節外れの暖かい天候が続き、暖房用の電力需要が減った。一方、貯蓄率は約3年ぶりの高水準に達し、今後消費が伸びる可能性を示唆した。

消費支出の前月の数字は当初発表の0.3%増から0.5%増へ上方修正された。

12月のインフレ調整後の数字は0.1%増だった。前月は0.4%増だった。

2015年通年では前年比3.4%増えた。14年は4.2%の増加だった。

消費支出は国内総生産(GDP)の3分の2を占める。12月の数字は、前週末に発表された昨年第4・四半期のGDPに含まれている。GDP統計によると第4・四半期の消費支出は年率換算で2.2%増と、第3・四半期の3.0%増から伸びが弱まった。

緩慢な消費支出や輸出の弱い伸び、長引く在庫解消の動きで、第4・四半期GDPは0.7%増にとどまった。原油安を背景にエネルギー企業がさらに投資を削減したことも重しとなった。

同時発表の個人所得は2カ月連続で0.3%増となった。賃金・給与は0.2%の増加で、11月の0.5%増と比べて伸びが減速した。15年通年の個人所得は前年比4.5%増と12年以来の大幅な伸びだった。14年は4.4%増だった。

15年の可処分所得(インフレ調整済み)は06年以来の大幅な伸びとなった。

12月は所得が消費を上回ったことにより、貯蓄は7533億ドルと12年12月以来の高い水準となった。11月は7178億ドルだった。

貯蓄の増加と住宅価格の上昇は、このところの株安の家計資産に対する影響を和らげ、今年の早い段階で消費を後押しするとみられる。

緩慢な消費を反映し、12月の物価は弱含んだ。個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.1%下落した。11月は0.1%上昇だった。一方、前年同月比は0.6%上昇と、11月の0.4%上昇から伸びが加速し、14年12月以来の高い水準だった。昨年の物価押し下げ要因が統計上はく落するにつれ、前年比でみた物価は上昇傾向にある。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア物価指数は前月比横ばいだった。11月は0.2%上昇だった。前年同月比は11月と同じ1.4%上昇だった。

米連邦準備理事会(FRB)はPCEコア物価指数を物価の目安としているが、目標の2%上昇を大きく下回って推移している。

ロイター
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