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公認会計士協会が特別レビュー、上場企業の監査事務所に
1月27日、公認会計士協会が、上場企業を監査する監査事務所を対象に「特別レビュー」を実施する。写真は都内のオフィスビル群。昨年7月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 27日 ロイター] - 公認会計士協会は27日、上場企業を監査する監査事務所を対象に「特別レビュー」を実施すると発表した。東芝<6502.T>の不正会計問題で、同社の監査を担当してきた新日本監査法人が金融庁から行政処分を受けるなど、監査への信頼が揺らいでいることへの対応策の一環。
特別レビューは、特定の事項について臨時の調査を行うために協会が昨年設けた制度で、初めての実施となる。今回は、27日付で森公高会長名で出した「会長通牒」の履行状況を確認する。
通牒では、財務諸表に重要な虚偽表示が生じるリスクを適切に識別・評価することの徹底や、会計士としての「職業的懐疑心」の保持・発揮を求めた。2月中に上場企業の監査を担当する約160の監査法人から通牒に盛り込まれた事項の履行状況を報告させる。また、4月から、通常の「品質管理レビュー」の一環で立ち入り調査を行って通牒の順守状況をチェックする。監査法人による協会への報告内容は、3月に公表する。
森会長は会見で「被監査会社の社会的名声などにとらわれることなく、監査人は常にゼロベースで監査に向き合う必要がある」と述べた。
協会は、監査不信克服のための施策の1つとして、監査手続きの強化に向けた会議も設置する。協会の監査担当役員、品質管理担当役員らをメンバーに、職業的懐疑心が発揮できるようにするための環境整備や監査法人の透明性向上、監査報告書の長文化の是非などについて議論を行い、提言を出す方針だ。
会計士協会では、新日本監査法人による東芝の監査に問題がなかったか、協会内の監査業務審査会が調査にあたってきた。調査の結果、審査会は新日本監査法人の監査に「改善を要する事項があった」と認定。今後、規律調査会に場を移し、協会としての処分の要否を検討する。
(和田崇彦)