ニュース速報

ビジネス

金融庁、仮想通貨取引所の登録制導入へ 来年の通常国会に改正法案

2015年12月17日(木)21時46分

12月17日、金融庁がビットコインなどの仮想通貨を扱う取引所の登録制を導入する計画であることが分かった。仮想通貨の利便性の高さからマネーロンダリングなどに悪用されないよう監督するほか、資本規制などで利用者を保護する。写真は5月27日、パリで撮影されたビットコイン(2015年 ロイター/Benoit Tessier)

[東京 17日 ロイター] - 金融庁は、ビットコインなどの仮想通貨を扱う取引所の登録制を導入する。仮想通貨の利便性の高さからマネーロンダリングなどに悪用されないよう監督するほか、資本規制などで利用者を保護する。来年の通常国会に関連法の改正案を提出する。

17日に開かれた金融審議会(首相の諮問機関)「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」で最終報告書が取りまとめられ、仮想通貨に関する規制の枠組みなどが盛り込まれた。

金融庁は、仮想通貨の取引所を経由したマネーロンダリングやテロ資金供与を防ぐとともに、利用者を守る観点から仮想通貨の取引所の登録制を導入する。

まず、取引所は犯罪収益移転防止法の「特定事業者」に追加され、口座開設時の本人確認や疑わしい取引の届け出を義務づけられる。また、利用者保護のため、利用者が預けた金銭と仮想通貨の分別管理のほか、最低資本金などを求める。

法改正で金融庁に取引所への検査権限を付与し、業務改善命令や業務停止命令などの行政処分を出せるようにする。公認会計士や監査法人による外部監査も義務づける。

ITの進展などにより、ビットコインに代表される仮想通貨は急速に普及した。しかし、2014年にはビットコインの取引量で当時世界最大の取引所だったマウントゴックスが破たん。顧客から預かっていた資金やビットコインに対して、同社が実際に保有する資金やビットコインが大幅に消失するなどの問題が発覚した。

一方、仮想通貨は迅速かつ容易にやり取りすることができ、匿名での利用も可能なため、マネロンやテロ資金への流用といったリスクが国際的に指摘されるに至った。

(和田崇彦)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏側近、今週ウクライナ訪問=ゼレンスキー大

ワールド

米の対外援助凍結、ロシアの戦争犯罪容疑捜査に暗雲

ワールド

ガザ停戦調停団、合意決裂を懸念 エジプト外相は米国

ワールド

トランプ氏、ガザ住民の帰郷認めず「恒久居住地検討」
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「だから嫌われる...」メーガンの新番組、公開前から大炎上の納得理由
  • 2
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポーランドで発見
  • 3
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大反発を買う...「イメージアップを図るため」
  • 4
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 5
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 6
    36年ぶりの「絶頂シーン」...メグ・ライアンの「あえ…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    ウクライナ戦争終結めぐる「見返り要求」に、ゼレン…
  • 9
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 10
    駆逐艦から高出力レーザー兵器「ヘリオス」発射...ド…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中