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情報BOX:ロイター・INSEADアジア企業景況指数:業種別動向

2015年12月16日(水)13時34分

 12月16日、トムソン・ロイターがINSEADと調査した第4・四半期の主要アジア企業の業種別景況感は、海運の見通しが前回に続いて最低となる一方、建設と医薬品が高水準だった。写真はジャカルタ北部の港湾で15日撮影(2015年 ロイター/Darren Whiteside)

[16日 ロイター] - トムソン・ロイターがINSEADと共同で実施した調査によると、第4・四半期の主要アジア企業の景況感は、中国経済をめぐる懸念が重しとなり約4年ぶりの低水準だった。

第4・四半期のロイター/INSEADアジア企業景況指数<.TRIABS>は58と、第3・四半期の60から低下した。

業種別では海運の見通しが前回に続いて最低となる一方、建設と医薬品が高水準だった。金融と食品は、景況の改善と悪化の分岐点となる50ちょうど。

*調査の詳細は[nL3N1442Z6]をクリックしてご覧ください。

業種別の概要は以下の通り。カッコ内の指数は(第4・四半期/第3・四半期)。

<海運:3四半期連続で業種別最低>(指数=36、前四半期=25)

7社が回答。2016年上半期の見通しは悲観的としたのは4社でこれまでで最多。2社が楽観的、1社は中立。

見通しへの最大のリスクは2社が中国経済の減速と回答、そのほかは地政学要因や原油価格など。過去3カ月間で収入が減少したのは5社、減少したのは2社。雇用は2社で減少。

<食品:悲観的見通しが過去最多>(指数=50、前四半期=79)

アサヒグループホールディングス<2502.T>やフィリピンのユニバーサル・ロビーナなど9社が回答。景気見通しは4社が楽観的、過去最多の4社が悲観的。

最大のリスクは3社が中国経済の減速、このほか国内経済の動向、原材料価格の上昇、競争の激化など。売上高は4社で増加、1社で減少。雇用は3社で増加。

<金融:過去最低から回復>(指数=50、前四半期=44)

インドネシアのバンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)やフィリピン・アイランズ銀行などが回答。見通しは9行が中立、3行が楽観的、3行が悲観的。

最大のリスクは6行が金融市場の変動、2行が米利上げ。収入は6行が増加、4行が減少。雇用は8行で横ばい、3行で増加、3行で減少。

<不動産:低下幅が業種別で最大>(指数=57、前四半期=90)

7社が回答。見通しは2社が楽観的、1社が悲観的。

最大のリスクは2社が金融市場の変動、2社が中国経済の減速、1社が競争の激化、1社が米利上げ。収入は3社で増加。雇用は3社で増加。

<資源:悲観的見通しが過去最多>(指数=58、前四半期=50)

オーストラリアのオイル・サーチやタイのPTTエクスプロレーション・アンド・プロダクション(PTTEP)など19社が回答。見通しは8社が楽観的、過去最多の5社が悲観的。

最大のリスクは8社が最大の需要国である中国の景気減速、5社が原油価格の下落。売上高は6社で増加、4社で減少、雇用はおおむね横ばい。

<自動車:上昇幅が業種別で最大>(指数=60、前四半期=33)

韓国の起亜自動車<000270.KS>、インドのヒーロー・モトコープなど5社が回答。見通しは1社が楽観的、4社が中立。

最大のリスクは1社が米利上げ、1社が中国経済の減速、1社が国内消費の鈍化。売上高は1社が増加、4社が変わらず。雇用は横ばい。

<小売り:2年ぶり低水準>(指数=60、前四半期=63)

ファーストリテイリング<9983.T>など10社が回答。見通しは4社が楽観的、2社が悲観的。

最大のリスクは3社が金融市場の変動、2社が消費の鈍化、2社が中国経済の減速、2社が治安問題。売上高は4社が増加、1社が減少。雇用は3社が増加。

<ハイテク:今年初の低下>(指数=60、前四半期=73)

キヤノン<7751.T>や日立製作所<6501.T>など20社が回答。見通しは6社が楽観的、2社が悲観的。

最大のリスクは8社が中国経済の減速、3社が米利上げ、3社が競争の激化、3社が金融市場の変動。売上高は7社が増加、5社

で減少。雇用はおおむね横ばい。

<医薬品:売り上げ増で上昇>(指数=88、前四半期=75)

第一三共<4568.T>やインドのルピンなど4社が回答。見通しは3社が楽観的、1社が中立。

最大のリスクは米利上げ、中国経済の減速、金融市場の変動、国内経済の動向など。売上高は1社で増加。雇用は3社で増加。

<建設:今年最高水準>(指数=90、前四半期=70)

インドのラーセン・アンド・トウブロ、アジアン・ペインツなど5社が回答。見通しは4社が楽観的、1社が中立。

主要なリスクで一致見られず。売上高は2社が増加。雇用は1社で増加。

<航空:回答した1社は楽観的>(指数=100、前四半期=100)

1社のみが回答。見通しは楽観的。

最大のリスクは米利上げ。

*調査対象企業は前回調査から変わる場合がある。

*キャプションを手直ししました。

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