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人民元のSDR採用、算出方法変更で比重低下の可能性=関係筋

11月19日、中国人民元がIMFのSDRに採用されても通貨バスケット内での比重は予想より低くなる見込みでことが分かった。写真は100元札。2013年11月撮影。(2015年 ロイター/ Jason Lee)
[19日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元の採用について、採用が決定される公算が大きいものの、SDR通貨の比重の算出方法の変更により、人民元の通貨バスケット内での比重が予想よりも低くなる可能性があることが関係筋の話で明らかになった。
IMFは今月中に人民元のSDR採用を決定する見通しだが、関係筋2人によると、IMF内ではSDR通貨の比重の算出方法について、数量ベースでの輸出の重要度を引き下げる一方で金融取引により重点が置かれるよう変更することが検討されている。
中国は現在世界最大の輸出国だが金融取引では遅れをとっている。このため算出方法が変更されれば、人民元のバスケット内での比重は現行の方法で算出される比重より低くなる可能性がある。
IMFスタッフは7月、人民元がSDRに採用されれば比重は14─16%近辺になるとの予想を発表。HSBCは現行の算出方法に基づけば約14%になると試算している。
関係筋のうち1人は「こうした見通しは高過ぎる」と指摘。もう1人の関係筋は、人民元の比重は2ケタ台に乗るか乗らないかの水準になるとの見方を示した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アンドリュー・ケニンガム氏は、人民元は他の通貨とは性質が完全に異なるため、比重の算出方法の変更で人民元は特に大きな影響を受けるとの見方を示した。
この件についてIMFからコメントは得られていない。
IMFが2010年に設定した現行のSDR通貨バスケットの比率はドルが41.9%、ユーロが37.4%、英ポンドが11.3%、円が9.4%となっている。