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富士重、円安と北米で今期最高益予想上積み 配当性向30%に

11月5日、富士重工業は、2016年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表した。4年連続で過去最高を見込んでいた営業利益は470億円増やし、前期比30%増の5500億円となる見通し。都内で2日撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)
[東京 5日 ロイター] - 富士重工業<7270.T>は5日、2016年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表した。4年連続で過去最高を見込んでいた営業利益は470億円増やし、前期比30%増の5500億円となる見通し。主力の北米販売が好調な上、為替の円安効果や原価低減も利益を押し上げる。
売上高、各利益、連結販売台数はいずれも過去最高を更新する。
トムソン・ロイターの調査によると、アナリスト23人の今期営業利益の予測平均値は5518億円で、上方修正後の会社予想はほぼ同水準となっている。
今期の売上高は同11.5%増の3兆2100億円(従来は3兆0300億円)、純利益は同42.1%増の3720億円(同3370億円)に増額。今期の想定為替レートは1ドル=120円(同118円)、1ユーロ=133円(同127円)に見直した。
業績好調を受けて、配当は中間・期末で72円ずつ、年間で144円とする計画。15年9月末で自己資本比率が50.2%となり、目標の50%を超えた。会見した吉永泰之社長は、自社株買いは「今は考えていない」としたが、これまで年間20%だった配当性向は「30%に引き上げる」と述べた。高橋充CFO(最高財務責任者)も「足元では配当を中心に株主に還元していきたい」とした。
今期の世界販売計画は95万3000台と従来の92万8000台から引き上げた。内訳は、北米は62万4000台(同60万台)、欧州は5万1000台(同5万台)に増やした。一方、景気が減速している中国を4万7000台(同5万台)、日本を14万2000台(従来は14万4000台)に減らした。
吉永社長は「中国とロシアの販売環境は厳しいが、それ以外は好調」と説明。特に米国は「まだまだ車が足りない。ディーラーからも、車があればまだまだ売れると言われている」と語り、16年末に39万4000台(現在は20万台)に増やす予定だった米国工場の生産能力増強の時期を同年夏に半年前倒しすることも明らかにした。
*内容を追加しました。
(白木真紀)