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中国の大幅調整リスク小さい、輸入減速は不可避=中曽日銀副総裁
10月24日、日銀の中曽宏副総裁は、中国の北京で開かれたフォーラムに出席し、中国経済が大幅に調整するリスクは大きくない、との認識を示した。上海で5月撮影(2015年 ロイター/Aly Song)
[北京 24日 ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は24日、中国の北京で開かれたフォーラムに出席し、中国経済が大幅に調整するリスクは大きくない、との認識を示した。また、当局が経済の構造改革を進める中で、中国の輸入減速は不可避と語った。
中曽副総裁は中国経済について、減速しているものの、「実質GDPで前年比6%台後半から7%の成長を続けており、依然として世界経済の成長に大きく貢献している」と指摘。中国当局が成長目標にコミットしている中で「政策的な対応余地がある」とし、「当面は中国経済が予想しないようなかたちで大幅に調整するリスクは大きくない」と語った。
中国経済の減速自体は、サービス産業や個人消費を中心とした「持続可能な成長モデルへの構造転換」を当局が進める中、「避けることはできないプロセス」としながら、「長期的には中国の成長の持続可能性を高める」との認識を示した。
中国の輸入は「実質成長率以上に減速している」としたが、背景には「中国経済のサービス経済化という構造変化が寄与している」と分析。製造業に比べたサービス産業の輸入誘発力の低さや、製造業の内製化比率の引き上げなどで中国の輸入減速は不可避とし、「日本を含めて中国との貿易関係が密な国々にとっての影響は無視できないが、冷静に受け止めた上で、適切に対処していくことが求められる」と語った。
また、中国が政策の透明性を確保するための方策の1つとして、「為替市場においても介入額などの重要な情報を公表していくことが市場の信認につながる」と述べた。