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独VW、排ガス不正「解明に数カ月」 株で資金調達説も
10月1日、フォルクスワーゲンは、不正解明に数カ月間はかかるとの見通しを示した。写真はニューヨークの同社ディーラーで9月撮影(2015年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ベルリン 1日 ロイター] - ドイツ自動車大手、フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)は1日、排ガス試験不正問題の解明には「少なくとも数カ月間」はかかるとの見通しを示した。
前日遅く約7時間にも及んだ議論を終えた同社の監査役会は、併せて、来月9日に開催予定だった臨時株主総会の延期を提案した。
欧州最大の自動車メーカーであるVWは、米国でディーゼルエンジン車の排ガス規制を不正に逃れていたことを認めて以来、時価総額の3分の1を失い、創業以来78年に及ぶ歴史のなかで、最大の危機に陥っている。
不正ソフトが搭載されているディーゼル車は最大1100万台とされ、不正問題にかかる費用として同社は65億ユーロの引当金を計上しているが、最終的な費用はそれをかなり上回るとみられている。
修理費用に加え、規制当局による制裁金、購入者や投資家から訴訟を起こされ、損害賠償金も支払わねばならない可能性がある。また、このスキャンダルで販売台数が減少する恐れもある。
<株式売却の可能性も>
監査役会に近い関係筋2人によると、VWは規制当局への罰金支払いに備え、費用削減や、キャッシュフロー増加策を検討している。監査役会は、同社の信用格付け引き下げを回避する対応策を検討中だが、資産売却は協議していないという。
フィッチは先月、VWの格付けをウオッチネガティブに指定し、米排ガス規制逃れを受けたVWブランドへの風評被害を反映した措置と説明した。こうした格付け会社の動きを受け、格下げが借り入れコスト上昇につながり、投資家の信頼回復に影響を与えるとの懸念がある。
関係筋の1人は、不正問題に関するコストが「危機的水準」に膨れ上がれば、株式を売却して資金を調達する公算が高まると語った。VWはコメントを拒否した。
米資産運用会社バーンスタインのアナリスト、マックス・ウォーバートン氏によれば、VWは約80億ユーロの議決権を持たない優先株を発行できるが、それ以上は普通株の発行を必要とする可能性があり、同社の2大株主であるピエヒ、ポルシェ一族と独ニーダーザクセン州はさらなる出資を迫られる可能性があるという。
一方、米環境保護局(EPA)は1日、具体的な日程などについては言及しなかったものの、対象車のリコール(回収・無償修理)実施の可能性が高いとの見方を示した。
また、米下院エネルギー・商業委員会は同日、VW問題に関する公聴会を8日に開催すると発表。公聴会では、VW米国法人のマイケル・ホーン社長兼最高経営責任者(CEO)のほか、EPAの関係者が証言する。
一方、ドイツ検察当局は、詐欺の疑いでマルティン・ウィンターコルン前CEOへの調査を始めたとしていた当初の説明を修正。ウィンターコルン氏が不正行為に及んだことを示す証拠はないと声明で説明。先月28日に発表した調査は、法執行機関が指摘した合理的な疑いというより、匿名人物らが提起した訴えに基づいて、VWに対して行う「予備的調査」の一環だったとした。
*内容を追加して再送します。