ニュース速報

ビジネス

米利上げ、インフレ加速の兆候確認まで支持せず=SF連銀総裁

2015年06月20日(土)02時36分

6月19日、米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、インフレ加速の兆候が確認できるまで利上げを支持しないと述べた。写真は2014年10月、ワシントンで撮影(2015年 ロイター/Stelios Varias)

[サンフランシスコ 19日 ロイター] - 米サンフランシスコ(SF)地区連銀のウィリアムズ総裁は19日、米労働市場は「ほぼ回復」したものの、インフレ加速の兆候が確認できるまで利上げを支持しない考えを示した。

総裁は講演原稿で「インフレ率が目標の2%に向かっていくとの一段の確信が得られない限り、利上げに関し様子見姿勢を維持する」と述べた。

「基調のインフレトレンドが底入れし、2%に向け加速しようとしていることを示す決定的な兆候はまだ確認できない」とし、「インフレが望ましい軌道にあるとの証拠をさらに集める前に行動することには慎重だ」と述べた。

総裁は、労働市場の回復に伴い、インフレ率も加速に向かうとする米連邦準備理事会(FRB)の見方をあらためて表明したものの、今回の発言は、実際にデータで裏付けられない限り、利上げには慎重姿勢を崩さないことを示唆している。

FRB内で中道派に属するウィリアムズ総裁の見解は、イエレン議長と近いとされており、FRBは利上げを急がないとも受け取れそうだ。

ウィリアムズ総裁はSF連銀スタッフの研究によると、第1・四半期の米国内総生産(GDP)はマイナスではなく、おそらく1.5%増程度だったと指摘。今後数四半期は年率2.75%程度の成長が続き、来年より持続可能な成長ペースに落ち着くとの見方を示した。

失業率については、年末までに5.2%まで低下する可能性が高いとし、賃金の伸びが加速している兆候がすでに表れていると述べた。

「年内利上げの予想をなお維持しており、利上げをあまり先延ばしすればリスクを伴うと考えている。より早い時期に利上げに着手し、その後緩やかに引き上げていく方が安全だと思う」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

国連、雨季到来前に迅速な援助呼びかけ 死者3000

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、米関税警戒で伸び悩みも

ビジネス

関税の影響を懸念、ハードデータなお堅調も=シカゴ連

ビジネス

マネタリーベース、3月は前年比3.1%減 7カ月連
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中