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米利上げ、インフレ加速の兆候確認まで支持せず=SF連銀総裁

6月19日、米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、インフレ加速の兆候が確認できるまで利上げを支持しないと述べた。写真は2014年10月、ワシントンで撮影(2015年 ロイター/Stelios Varias)
[サンフランシスコ 19日 ロイター] - 米サンフランシスコ(SF)地区連銀のウィリアムズ総裁は19日、米労働市場は「ほぼ回復」したものの、インフレ加速の兆候が確認できるまで利上げを支持しない考えを示した。
総裁は講演原稿で「インフレ率が目標の2%に向かっていくとの一段の確信が得られない限り、利上げに関し様子見姿勢を維持する」と述べた。
「基調のインフレトレンドが底入れし、2%に向け加速しようとしていることを示す決定的な兆候はまだ確認できない」とし、「インフレが望ましい軌道にあるとの証拠をさらに集める前に行動することには慎重だ」と述べた。
総裁は、労働市場の回復に伴い、インフレ率も加速に向かうとする米連邦準備理事会(FRB)の見方をあらためて表明したものの、今回の発言は、実際にデータで裏付けられない限り、利上げには慎重姿勢を崩さないことを示唆している。
FRB内で中道派に属するウィリアムズ総裁の見解は、イエレン議長と近いとされており、FRBは利上げを急がないとも受け取れそうだ。
ウィリアムズ総裁はSF連銀スタッフの研究によると、第1・四半期の米国内総生産(GDP)はマイナスではなく、おそらく1.5%増程度だったと指摘。今後数四半期は年率2.75%程度の成長が続き、来年より持続可能な成長ペースに落ち着くとの見方を示した。
失業率については、年末までに5.2%まで低下する可能性が高いとし、賃金の伸びが加速している兆候がすでに表れていると述べた。
「年内利上げの予想をなお維持しており、利上げをあまり先延ばしすればリスクを伴うと考えている。より早い時期に利上げに着手し、その後緩やかに引き上げていく方が安全だと思う」と述べた。