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福島原発の避難指示、2年後に解除提言=自民
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5月21日、自民党は原発事故に伴う福島県内の一部区域住民について、2017年3月までに避難指示を解除するよう求める提言を大筋で了承した。写真は県内の仮設住宅。昨年6月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)
[東京 21日 ロイター] - 自民党の復興加速化本部は21日の総会で、東京電力<9501.T>福島第1原発事故に伴う福島県内の避難区域のうち、2つの区域の住民について、事故から6年後となる2017年3月までに避難指示を解除するよう求める提言を大筋で了承した。
事故に伴う営業賠償と風評被害に対する東電による賠償も原則2年間とし、その後は個別事業で対応するとしている。
今後、党内での正式決定を経て公明党と調整し、今月中に安倍晋三首相に提言する。
避難指示解除の対象となるのは、放射線量が高い「帰還困難区域」(約2万4000人)を除く、「住居制限区域」(約2万3000人)と「避難指示準備区域」(約3万2000人)の約5万5000人。
両区域の避難者には精神的損害賠償として1人当たり一律10万円を支払っており、避難指示解除から1年後までを支払期限とする仕組みだ。
今回の提言では、避難指示解除から1年後となる2018年3月まで一律で賠償するとした。同県田村市などすでに避難指示が解除されている地域の住民も、支払いの対象となるという。
営業賠償については、東電と資源エネルギー庁が昨年末、2016年2月に商工業者に対する賠償を打ち切ると提案したものの、地元の商工業者が猛反発し、同案を撤回した経緯がある。
同本部事務局長を務める井上信治・元環境副大臣は総会後、「風評被害などは個別事情も踏まえて対応する。この2年間であらゆる支援策をやっていく」などと述べた。
2年間とした営業損害、風評被害の賠償の対象は、1次産業など商工業者以外も含むという。
(浜田健太郎 編集:田巻一彦)