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低金利を維持する根拠弱まる、道筋が重要=米SF地区連銀総裁

2015年04月13日(月)15時06分

 4月13日、米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁はロイターとのインタビューで、雇用市場が回復し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切ることで景気回復がとん挫するリスクが低下しているとの認識を示した。ワシントンで昨年10月撮影(2015年 ロイター/Stelios Varias)

[サンフランシスコ 13日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁はロイターとのインタビューで、雇用市場が回復し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切ることで景気回復がとん挫するリスクが低下しているとの認識を示し、米経済が目標に近づくにつれて、金利を低水準に維持する根拠が弱まると指摘した。インタビューは、10日遅くに行われた。

今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有する同総裁は、「より重要なのは、われわれは道筋について、つまり数年間で金利をゼロ水準から通常水準へ引き上げることについて考えているということだ」と指摘。

「経済が一定の負のショックを被ったとしても、道筋は小幅フラット化、つまり利上げを緩やかに実施すると考えられている」と述べた。

総裁は「金融政策=指標次第」というスローガンを掲げ、FRBは現段階で利上げを待ち過ぎるリスクを考える必要があると指摘。利上げを遅らせた場合、積極的な引き締めを強いられ、強い景気拡大がインフレ圧力につながった場合は悪影響につながる可能性が懸念されている。

総裁は「やや早めの段階的な利上げ、あるいは遅めの積極的な利上げの選択肢がある」と述べた。

国内経済が完全雇用に近づくにつれ、金利をゼロ近辺に維持する必要性は低下したと指摘。ただ最初の利上げの時期にかかわらず、通常よりも早いペースでの景気拡大に向けて金利は中立を下回る水準にとどまるべきとし、現在の5.5%でも高すぎると考えている失業率の低下とインフレ押し上げに向けて緩和政策は必要と述べた。

総裁は完全雇用は6―12カ月のうちに達成するとし、労働市場のタイト化により賃金とインフレ押し上げが一段と広範にみられるようになるとの見通しを示した。

利上げが6月になるかどうかについては明言せず、「6月はまだ先だ。それまでに多くの指標が発表される。私は6月か9月かというような話はしない」とし、金融政策は指標次第とのスローガンを示した。

*見出しの一部を変更しました。

ロイター
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