ニュース速報

ビジネス

2月機械受注は反動減も予測上回る、1─3月設備投資は増加へ

2015年04月13日(月)11時16分

 4月13日、内閣府が発表した2月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比0.4%減の8356億円となった。2カ月連続の減少。写真は、群馬県の自動車工場、2012年撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 13日 ロイター] - 内閣府が13日に発表した2月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、2カ月連続の減少となった。12月の大幅増の反動減の影響が続いているためで、緩やかな持ち直し基調は崩れていないとみられている。

1─3月の機械受注は3期連続の増加となる可能性が高く、GDPベースの設備投資も回復するとの見方が広がっている。

2月は機械受注は前月比0.4%減の8356億円となった。2カ月連続の減少。ロイターの事前予測調査では2.8%減と予想されていたが、これを上回った。前年比では5.9%増だった。

製造業は前月比0.9%増で2カ月ぶりの増加、非製造業は同3.6%減と4カ月ぶりの減少となった。

製造業の伸びはわずかなものにとどまっており、市場からは「一段の円安進行にも関わらず、このところほとんど増加していない」(BNPパリバ証券)として、国内回帰の動きは限定的との見方もある。

他方で非製造業は内需の回復に伴い、今後も徐々に回復傾向を強めるとみられている。

この結果、1─3月は3月が2月から横ばいになったとしても、前期比3.7%程度の増加を確保できる見通し。内閣府の見通しの1.5%増を上回るしっかりとした伸びとなりそうだ。

外需も同8.0%増となり、1月の大幅増(24.2%増)の後も、引き続き増加を維持した。

内閣府は、機械受注の判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。

市場関係者の間では3月日銀短観で14年度設備投資実績見込みが上方修正となったことなどから、企業の設備投資意欲は底堅い動きとなっているとの見方が大勢だ。

「反動は極めて軽微。四半期ベースでみれば2月までの段階で10─12月期から加速しており、内閣府見通し(前期比プラス1.5%)からも上振れている。GDPベースの設備投資は消費増税後、3四半期連続のマイナスとなっているが、この1─3月期にもプラスに転じる公算が大きい」(SMBC日興証券チーフエコノミスト牧野潤一氏)といった見方が広がっている。バークレイズ証券では1─3月期GDPで民間設備投資は前期比1.7%程度のプラスに転換すると予想している。

機械受注統計は、機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として、注目されている。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の命狙う企ては戦争行為、米国がイランに警

ビジネス

中国、3年間で6兆元追加調達も 特別国債発行で景気

ワールド

COP29で合意目指す気候資金目標、数千億ドルが現

ワールド

北朝鮮、南北を結ぶ道路の一部を爆破=韓国軍
MAGAZINE
特集:米経済のリアル
特集:米経済のリアル
2024年10月15日号(10/ 8発売)

経済指標は良好だが、猛烈な物価上昇に苦しむ多くのアメリカ国民にその実感はない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画に対する、アメリカとイギリスの温度差
  • 2
    『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思っていたが......
  • 3
    性的人身売買で逮捕のショーン・コムズ...ジャスティン・ビーバーとの過去映像が「トラウマ的」と話題
  • 4
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 5
    42の日本の凶悪事件を「生んだ家」を丁寧に取材...和…
  • 6
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 7
    戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイス…
  • 8
    冷たすぎる受け答えに取材者も困惑...アン・ハサウェ…
  • 9
    「コメント見なきゃいいんですよ、林さん」和歌山カ…
  • 10
    ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリ…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた「まさかのもの」とは?
  • 3
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明かす意外な死の真相
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 5
    『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思…
  • 6
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 7
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 8
    ウクライナ軍がミサイル基地にもなる黒海の石油施設…
  • 9
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 10
    戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイス…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 4
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 5
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 6
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 7
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 8
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…
  • 9
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 10
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中