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米マクドナルドの賃上げ、フランチャイズ店の独立性議論に一石
4月3日、米マクドナルドが米国内の直営店について賃上げを発表したことで、フランチャイズ店の独立性をめぐる労働紛争に一石が投じられ、問題が複雑化する可能性が出てきた。写真は、米マクドナルドの看板、3月撮影(2015年 ロイター/Mike Blake)
[ニューヨーク/ロサンゼルス 2日 ロイター] - 米マクドナルド
同社は時給を10ドル前後引き上げるが、対象は米国内店舗で働く全労働者75万人のうち、9万人にとどまる。店舗の9割に当たる約1万2500店がフランチャイズ経営だからだ。
マクドナルドのフランチャイズ店をめぐっては、労働組合の結成や全米での賃上げデモなどに参加した従業員を解雇したり脅し、労働法に違反したとして、全米労働関係委員会(NLRB)がマクドナルド本体と一部フランチャイズ店の両方を訴えている。この問題では、両者が「共同雇用者」かどうか、すなわちマクドナルド自体が労働法違反の責任を負うかどうかが焦点となっている。
業界団体の国際フランチャイズ協会は2日、賃上げの一件でマクドナルドのフランチャイズ店が共同雇用者ではないことが示されたとの声明を発表した。協会のスティーブ・カルデイラ会長は、フランチャイズ店は独立した意思決定権を持っており、賃上げを望むなら実施する権利があるとの考えを示した。
一方で、非営利の労働者擁護団体、全米雇用法プロジェクトの法務責任者、キャサリン・ラッケルシャウス氏は、賃上げの一件だけではフランチャイズ店の独立性を示すには不十分だと述べた。NLRBの問題提起は単に賃金水準をめぐるものではないという。
マクドナルドのカレン・キング最高人事責任者は、フランチャイズ店の賃金を同社が左右することはできないとし、NLRBの訴えは賃金政策を考慮に入れたものではないとの見解を示した。