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財政再建に「ウルトラC」検討、歳出カットでも成長を=甘利再生相
3月31日、甘利明経済再生相は閣議後会見で、政府が掲げる財政健全化目標について、歳出カットは国内総生産(GDP)の下押し圧力となると指摘した。写真は、甘利経済再生相、2014年9月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 31日 ロイター] - 甘利明経済再生相は31日の閣議後会見で、政府が掲げる財政健全化目標について、歳出カットは国内総生産(GDP)の下押し圧力となると指摘した上で、「歳出カットが成長に資するというようなウルトラCも含めて取り組んでいきたい」と述べ、公的サービスの産業化などで無駄を省く考えを示した。
政府は2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字化させる目標を立てているが、内閣府の試算では経済成長が見込まれるケースでも9.4兆円の赤字が残る。
甘利経済再生相は、増税や歳出カットで赤字を埋め合わせる考え方に理解を示す一方で、「歳出カットはGDPの下押し圧力になる。成長が落ちるという部分がある」と指摘。公的サービスを民間に担ってもらうことでGDPを拡大させる発想も必要だとし、「ここがまさに安倍内閣の知恵の発揮のしどころ」と述べた。
中長期的な目標については、PB黒字化後に「債務残高を対GDP比で減らしていくことになっていくのではないか」とし、2つの目標を同時に追うのではなく、PBの黒字化が先決との認識を示した。
半面、収支の改善だけに注力すると成長が疎かになると述べ、バランスの必要性も強調した。
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加をめぐっては、依然として公正なガバナンスが確保できるかなどが不透明だとし、引き続き慎重な立場を保った。
*見出しを一部修正しました。
(梅川崇 編集:山川薫)