ニュース速報

ビジネス

全国CPI、2月は前年比実質ゼロ% 原油安でプラス幅縮小

2015年03月27日(金)09時58分

 3月27日、総務省が公表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)は前年比2.0%となった。都内のスーパーで先月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 27日 ロイター] - 総務省が27日公表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)は前年比2.0%上昇した。原油やエアコンの価格下落で1月と比べ上昇率は0.2ポイント縮小した。昨年4月の消費税率引き上げの影響2%(日銀試算)を差し引くと0%。

政府・日銀の目標である2%は遠ざかった。

一方で先行指標の3月東京都区部コアCPIは、原油価格の下げ止まりを反映して前年比プラス2.2%と2月と横ばい。全国の3月コアCPIも0%でとどまるのか、マイナス圏に転落するのか注目される。

<ガソリン、灯油、エアコン─マイナス幅拡大>

ロイターが事前集計した民間エコノミストの予測集計値は全国2月コアCPIが前年比2.1%、都区部3月コアCPIが同2.2%だった。

2月の全国コアCPIの前年比が0%まで落ち込むのは2013年5月以来。ガソリンが前年比で15.4%下落し(1月は同11.1%下落)、灯油も同21.6%下落(1月同15.3%下落)、それぞれ指数を押し下げた。エアコンは昨年の駆け込み需要の反動で同13.5%下落(1月3.5%下落)しマイナスが拡大した。

<2月原油価格持ち直しで3月全国もゼロ%の見通し>

一方、3月の東京都区部は、ガソリンのマイナス幅が縮小(3月は前年比12.7%下落、2月15.4%下落)した。エアコンも新商品への切り替えが進み指数を押し上げた。輸入ハンドバッグなどは指数押し下げに働いた。 

総務省によると2月の原油価格持ち直しは3月の全国指数にも影響、全国コアCPIは「前年比0.0%程度で推移する」見通しという。一時的にマイナスに転じる可能性の有無についてはコメントを控えた。

4月には多くの財・サービス価格で、前年の消費税増税の影響がはけるが、一部公共料金は増税が昨年5月にずれ込んだため、4月の全国コアCPIには消費増税の影響が0.3%残るという。もっとも消費増税の影響が本当に2%であったか事後的に検証するのは不可能としている。

*内容を追加します。

(竹本能文)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中韓外相が会談、両国は外部からの干渉を避けるべきと

ワールド

フランス高速鉄道、設備放火で運行に大幅乱れ 五輪開

ワールド

敦賀原発2号機、新規制基準に適合せず 規制委の審査

ビジネス

メルセデス、乗用車部門の24年利益率見通し下方修正
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 3
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 4
    年金財政は好転へ...将来は「年金増額」の可能性大な…
  • 5
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 6
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    自分を「侮辱」し続けたバンスを、なぜトランプは副…
  • 9
    誰よりノリノリ...アン・ハサウェイ、友人テイラー・…
  • 10
    日本の若者はなぜ結婚をしなくなったのか? 「不本意…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 6
    出産間近!ヨルダン・ラジワ皇太子妃が「ロングワンピ…
  • 7
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 10
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中