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美浜・敦賀の老朽原発3基、廃炉を決定=関電・日本原電

2015年03月17日(火)16時28分

 3月17日、関西電力は、美浜原発1、2号(福井県美浜町)の廃炉を決定したと発表した。美浜原発2号機、福井県美浜町で2011年7月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 17日 ロイター] - 関西電力<9503.T>は17日、美浜原発1、2号(福井県美浜町)の廃炉を決定したと発表した。日本原子力発電も、敦賀1号(同敦賀市)の廃炉を同日決定。法律では原発の運転期間は原則40年に制限されているが、今回廃炉が決まった3基はいずれも運転開始から40年を超えており、政府が廃炉の経営判断を促していた。

<日本の商業炉は43基に>

関電などは今後、経済産業省と原子力規制委員会に廃炉に関する届け出や申請を行う。18日には中国電力<9504.T>島根原発1号(松江市)と九州電力<9508.T>玄海原発1号(佐賀県玄海町)の廃炉も決まる見通し。この結果、4年前の東京電力<9501.T>福島第1原発事故の発生前は全国に54基あった商業用原子炉が43基に減ることになる。

今回の判断以前に国内で廃炉が決定済みの原子炉は、日本原電の東海原発(1998年3月末営業運転停止)と中部電力<9502.T>浜岡原発1、2号機(2009年1月運転終了)に、福島第1の1─6号機を加えた計9基。中部電によると、浜岡1、2号の廃炉は約30年の長期にわたる。

<小規模炉が廃止対象に>

福島事故を契機に改正された原子炉等規制法では、原発の運転期間を原則40年に制限しながら、原子力規制委員会の認可を条件に20年間を上限に1回だけ運転延長が認められる。

このルールの運用として、規制委は運転開始から40年前後の原発について40年を超えて運転させる場合は、今年4月から7月までに規制委に運転延長を申請するよう求めている。

対象は7基で、昨年10月、小渕優子経済産業相(当時)が廃炉にするか運転延長を申請するかの判断を電力業界に求めていた。

7基には、関電高浜1、2号も含まれるが、関電は同2基について運転延長申請に必要な「特別点検」を12月に着手し、再稼働を目指す姿勢を鮮明にした。同社は17日、高浜1号(運転開始から40年)・2号(39年)のほか、運転開始から38年の美浜3号について新規制基準適合性審査を規制委に申請した。

国内の原子炉は大きいものだと1基当たりの出力が135万キロワット規模だが、今回廃炉となる5基は30万─50万キロワット台と規模が小さい。新規制基準に適合させるための追加投資しても、それに見合う経済メリットが見いだせないとの判断が廃炉決定の主要因だ。

<会計制度変更が廃炉促す>

廃炉の経営判断に向けて、経産省が関連の会計制度を変更したことも電力の背中を押した。

関電の場合、廃炉費用を積み立てる解体引当金の見積もり額670億円(13年度末)のうち、140億円(同)が積み立て不足の状態だが、13年10月の制度変更により不足額を一括で処理する必要がなくなり、今後、6─8年かけて引き当てしていく。

今年3月に導入された制度では、繰り延べ処理できる対象資産を拡大。従来の制度だと関電は280億円の費用を一括計上することを迫られたが、今後、廃炉関係資産に振り替えて10数年間にわたり償却していく。このため、当面の決算への影響は軽微だという。

*写真を追加します。

(浜田健太郎)

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