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アングル:年初来のTOPIX500騰落率、トップは科研薬

2015年03月13日(金)18時30分

 3月13日、日本株が15年ぶり高値を更新するなか、TOPIX500構成銘柄のうち年初来での値上がり率トップは科研製薬だった。写真は、東証、2012年撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 13日 ロイター] - 日本株が15年ぶり高値を更新するなか、TOPIX500<.TOPX500>構成銘柄のうち年初来での値上がり率トップは科研製薬<4521.T>だった。

さらにエーザイ<4523.T>など薬品株が上位にならび、高人気となっている。一方、最大の下落率となったのはマツダ<7261.T>。昨年後半に急上昇した反動もあるが、ユーロ安/円高の影響などが警戒され、外需株のパフォーマンスは全般的にさえない。

<医薬品や食品株が高パフォーマンス>

TOPIX500構成銘柄のうち、年初来での値上がり率トップ3には科研製薬(プラス62.17%)、エーザイ(同53.06%)、日医工<4541.T>(同49.06%)など医薬品株が並んだ。業種別でも医薬品<.IPHAM.T>がプラス23.60%と上昇率トップだ。

いちよしアセットマネジメント・執行役員運用部長の秋野充成氏は「国内外の年金や機関投資家など債券比率が高かった投資主体が、債券の代替として医薬品や食品など業績が安定してボラティリティが低い銘柄を買っている」と話す。

山崎製パン<2212.T>や明治ホールディングス<2269.T>など食品株も高い。

総還元性向130%を目指す青山商事<8219.T>や、年間配当金を前期比2.6倍とした日新製鋼<5413.T>など、積極的な株主還元策を打ち出している銘柄も上昇。13日に株主との対話窓口となる部署を設けると報じられたファナック<6954.T>も、値上がり率上位に食い込んだ。

<欧州・アジア関連がさえない>

一方、値下がり率上位にはマツダ、ブラザー工業<6448.T>、セイコーエプソン<6724.T>などユーロ関連が並ぶ。

マツダは昨年10月から12月にかけて約50%上昇した反動も出ているとみられているが、足元で対ユーロでの円高が進んでいることも懸念要因だ。

欧州中央銀行(ECB)が1月22日に、国債買い入れ型の量的緩和(QE)実施を決定。ユーロ/円が当時の136円近辺から直近では128円割れへと下落し、欧州ビジネスに強みを持つ企業の業績に悪影響が出るのではないかと懸念されている。

また、中国などアジア圏向けに強みを持つ日立建機<6305.T>や不二越<6474.T>なども安い。中国の李克強首相は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕にあたり、国内総生産(GDP)伸び率を7%前後とし、昨年の7.5%から引き下げた。中国経済減速を起因とした新興国の成長鈍化が警戒されている。

(杉山容俊 編集:伊賀大記)

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