ニュース速報

ビジネス

韓国中銀が予想外の利下げ、過去最低1.75% 

2015年03月12日(木)15時21分

 3月12日、韓国銀行(中央銀行)は、政策金利を2.00%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1.75%にすることを決めた。ソウルで2008年5月撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[ソウル 12日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は12日、政策金利を2.00%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1.75%にすることを決めた。

他の中央銀行と同様、低迷する経済をテコ入れするため、利下げに踏み切った。市場は据え置き予想が大勢だった。

利下げは昨年10月以来5カ月ぶり。2012年7月から始まった緩和サイクルの中では6度目となる。

李柱烈(イ・ジュヨル)総裁によると、5対2で利下げを決定した。

金利決定の直後は国債先物<0#KTB:>が上昇し、ウォンは1年8カ月ぶり安値に下落したが、その後に元の水準に戻った。米国の利上げに関する李総裁の慎重な発言で、必ずしも追加利下げが行われるわけではないことが示唆されたため。

JPモルガン・チェースのエコノミスト、Lim Ji-won氏は「われわれの予想よりも(利下げは)1カ月早かった」と指摘。「状況がそれほど改善しなければ、追加利下げの可能性は依然としてある。ただ、現時点では指標次第だ」と述べた。

李総裁は年初の2カ月間で景気が弱含んだため、成長が阻害されないようにしたと説明。「想定したほど成長が加速しておらず、インフレ率も予想より低水準となる」と指摘し、「リスクが見受けられる中、先手を打って対応する方が賢明だと判断した」と明かした。

ただ、さらなる金利変更については慎重な姿勢を示した。李総裁は「今年下期に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを始めるというシナリオを基に準備しているが、米国での引き締めが始まってすぐに利上げをする必要があるとは思っていない」と述べた。

為替相場について李総裁は、輸出業者にとって重要ではあるものの、主に通貨安の誘導を目的として多くの国で利下げが行われているとの意見には賛同しないと述べた。

ロイターが事前に実施したアナリスト調査では、利下げを予想したのは33人中4人だけだった。ただ、据え置きを予想したアナリストのうち19人が4月ないし4─6月中の利下げを予想していた。

中銀の声明は、世界経済は緩やかに回復しているが、韓国経済の回復は予想を下回っていると指摘。

国内のマイナスの生産ギャップは当初見通しより長引き、インフレは予想より低水準にとどまるとの見方を示した。

また、中国経済の減速が韓国経済にとって下押しリスクと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中