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今週の米株、米雇用統計が期待外れならレンジ下抜けも

2015年03月02日(月)06時53分

 2月27日、2日に始まる米株市場では、米雇用統計などの一連の指標発表が、最近の指標のように期待外れに終われば、レンジから抜け出し、下押しする可能性がある。写真はニューヨーク証券取引所。26日撮影(2015年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 23日の週の米国株式市場は、静か過ぎるほど静かだった。決算シーズンが終わりに近づいたことに加え、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言にサプライズがなかったことから、ボラティリティーが低下、出来高も減る中、このところの狭いレンジで推移した。

株価指数は過去最高値近辺で推移しているものの、相場が伸び切っている兆候があり、2日に始まる週には、米国の主要経済指標の発表を受けて売られる場面があるかもしれない。

米雇用統計などの一連の指標発表が、最近の指標のように期待外れに終われば、レンジから抜け出し、下押しする可能性がある。

6日に発表される2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が約23万8000人増加すると予想されている。1月の増加幅は25万7000人だった。

このほか、製造業、非製造業の景気指数や製造業の新規受注も発表される。

ノーザン・トラスト・アセット・マネジメント(シカゴ)の主任投資ストラテジスト、ジム・マクドナルド氏は「経済指標が市場を動かす最大のけん引役となるだろう。中でも鍵は雇用統計だ」と指摘。「現時点では、市場の見通しに関し、懐疑的見方がかなり根強い」と述べた。

最近の指標は、米経済の減速を示唆するものが多い。第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値は速報値から下方修正された。シカゴ地区購買部協会が発表した2月の購買部協会景気指数は45.8と、前月の59.4から大幅低下し、2009年7月以来の低水準を記録した。

S&P総合500種指数<.SPX>は2012年半ばから10%の修正を経験しておらず、引き続きバリュエーションが懸念される。

同指数の株価収益率は17.4倍で、歴史的平均の14.8倍を上回っている。予想PERベースでも、セクターの大半が割高であり、PERが指標指数の歴史的平均を下回っているのは金融セクターのみだ。

9320億ドルの資産を運用するマクドナルド氏は「投資価値のある分野を株式市場以外に探さざるを得ない」と話した。

BATSのデータによると、米国のすべてのプラットフォームでの過去5日の平均出来高は約62億6000万株で、2月末までの平均の68億株を下回った。

また、S&P総合500種指数は今週、感謝祭(昨年11月後半)の週以来の小幅なレンジで推移した。

一方、そうした薄商いの中で、ダウ工業株30種平均<.DJI>とS&P総合500種、ラッセル2000種指数<.RUT>はすべて週内に過去最高値をつけた。

ロイター
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