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イエレン議長「FRBは独立」、下院で共和党議員の追及に反論

2015年02月26日(木)07時12分

 2月25日、イエレン米FRB議長は、下院金融委員会で証言を行った。写真はワシントンで25日撮影(2015年 ロイター/Jim Bourg)

[ワシントン 25日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は25日、下院金融委員会で半期に一度の証言を行った。証言内容は、24日の上院銀行委員会での証言とほぼ同じだった。

この日の質疑応答では、FRBの政治的なバイアスをめぐり、共和党議員が議長を厳しく追及した。通常は控えめな姿勢を維持するイエレン議長だが、労働市場におけるFRBの役割に関する質問には真っ向から対抗する姿勢を鮮明にしたほか、FRBの意図に疑問を投げかけるような質問に対しては、苛立ちを露わにする場面もあった。

イエレン議長が最も苛立ちをあらわにしたのは、マルバニー議員(共和、サウスカロライナ州)が長期失業や所得の不均衡など、本来は中央銀行が立ち入るべきでない問題にFRBが関与していると指摘した時。

イエレン議長は「私はこれまでも米国の長期財政赤字や予算をめぐる問題について言及してきた。これらは私の問題ではない。あなた方の問題だ」と切り返した。

また、ギャレット議員(共和、ニュージャージー州)は、イエレン議長が共和党議員よりも、リベラル派グループや民主党議員と多く会合を持っていると指摘。

これに対し、イエレン議長は「われわらは多岐にわたるグループと会合している」とし、「完全に誤った解釈」と反論した。

複数の議員が、イエレン議長と財務長官が持つ会合の回数について異議を唱え、対話の記録を公開するよう求めたことについては、議長は、議員との会合における対話を公開しないように、財務長官との対話記録を公開する意向はないとした。

そのうえで、経済および金融システムについては定期的に協議しているとしつつも、「FRBは独立した機関であって、FRBが行う金融政策運営もしくは政策対応について、財務長官や行政機関と討議することはない」と強調した。

また、イエレン議長が昨年10月に行った所得格差に関する講演に関し、昨年11月の中間選挙を控え、民主党やオバマ政権への支持を示唆する内容だったとの議員らの主張に対しては、所得格差は「ここにいる全員が懸念しなければならない問題だ」と言明。「政治的な発言をしているのではない。米国が直面する重大な問題について話している。(10月の)講演で、いかなる政策提言も行っていない」と語った。

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