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アングル:米FRBの独立性が窮地に、与野党の包囲網狭まる

2015年02月25日(水)12時14分

 2月24日、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長(写真)は、上院の銀行委員会で半期に1度の証言に臨んだが、もともとFRBに批判的な共和党だけでなく、民主党の一部議員からも厳しい追及を受けたことが目を引いた(2015年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 24日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は24日、上院の銀行委員会で半期に1度の証言に臨んだが、もともとFRBに批判的な共和党だけでなく、民主党の一部議員からも厳しい追及を受けたことが目を引いた。FRBに対しては今や、与野党の双方から圧力が強まりつつある。

今年から上下両院で過半数を握るようになった共和党はこれまで、FRBに対する監査強化など、独立性を損なうような動きを主導してきた。さらに民主党でも、透明性向上を要求する声が広がっている。

上院銀行委員会の委員長を務めるリチャード・シェルビー議員(共和党、アラバマ州選出)は質疑応答の冒頭で、FRBは「前例のない権力」を得たとする声明を発表し、監査の強化が必要との持論を展開した。ただ、議長への質問に際してはあくまでも敬意を払った。

一転、好戦的な姿勢を示したのが、ウォールストリート批判の急先鋒であるエリザベス・ウォーレン議員(民主党、マサチューセッツ州選出)だ。議員は、数年前に起きたFRB議事要旨流出事件について、説明を求める自身の要請になぜ応じなかったのか説明するよう迫った。

さらに、FRBのスコット・アルバレス法律顧問が2010年のドッド・フランク法(米金融規制改革法)を批判した、と噛みついた。

イエレン議長が質問に答えようとすると、ウォーレン議員は何度もさえぎり簡潔な回答を要求。「イエスかノーかで答えて」とまで迫った。

<イエレン議長、監査強化への反対あらためて表明>

イエレン議長は証言で「FRB監査強化法案」への反対をあらためて表明した。同法案はランド・ポール上院議員(共和党)が提出したものだが、共和党重鎮の間で支持を得ているとは言い難いようだ。

ボブ・コーカー議員(共和党、テネシー州選出)は法案への反対を公言。FRB批判で知られるシェルビー銀行委員長は、議会はFRBを構造的に変えることは可能と述べたが、法案の賛否は明言しなかった。

24日の証言では、上院銀行委のメンバーはおおむね、イエレン議長の経験と立場に敬意を示していた。しかし25日の下院金融委の証言では、議長はより敵意ある聴衆に相対することになるかもしれない。

(Michael Flaherty記者 翻訳:吉川彩 編集:橋本俊樹)

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