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貿易収支1月は1.1兆円台の赤字、輸出堅調で赤字幅は大幅減

2015年02月19日(木)10時52分

 2月19日、財務省が発表した1月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は1兆1775億円の赤字となった。2014年12月撮影(2015年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 19日 ロイター] - 財務省が19日に発表した1月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は1兆1775億円の赤字となった。輸出は回復基調を維持し金額・数量ベースで2桁の伸びを記録。原油価格の大幅下落で輸入は前年割れとなり、貿易赤字額は消費税引き上げ前の駆け込みで大きく膨らんだ前年(2兆7950億円)より大幅に縮小した。減少幅は2011年東日本大震災後に赤字に転落して以降、最大を記録した。

季節調整済み貿易赤字も前月比34.6%減となり、昨年12月より減少した。

貿易赤字は31カ月連続となったが、赤字縮小傾向は顕著になってきた。背景には輸出回復があるもよう。輸出動向について財務省では、特殊要因があるが、数量ベースでプラスを維持し「底堅い動き」(財務省幹部)とした。

<輸出は5カ月連続増、数量ベースでは10年12月以来の伸び>

輸出は前年比17.0%増の6兆1447億円と、2013年11月(18.4%増)以来の高い伸びとなった。増加は5カ月連続。数量ベースでも同11.2%増と2カ月連続で増加。2010年12月(12.4%増)以来の高い伸びを記録した。

品目では自動車(12.7%増)、半導体等電子部品(24.1%増)、船舶(44.8%増)などが増加した。このうち、自動車は米国向けが高い伸びとなったが、昨年が寒波の影響で停滞した結果、「前年比伸び率は少し高めに出ている」(財務省幹部)という。

地域別では、米国向けが前年比16.5%増と5カ月連続で増加した。中国向けも同20.8%増と1月としては1979年の統計開始以来、最も高い伸び率となった。増加は5カ月連続。ただ、中国の春節(旧正月)が今年は2月で昨年の1月から後ズレすることによる特殊要因もある。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル119.27円で、対前年比14.1%の円安だった。

<輸入は2カ月ぶり減、原油価格低下で09年11月以来の下げ幅>

輸入は同9.0%減の7兆3222億円。2カ月ぶりに減少した。原油価格の大幅な低下で、減少幅は2009年11月(16.7%減)以来の下げ幅を記録した。原粗油(40.5%減)のほか、石油製品(32.0%減)、液化石油ガス(40.0%減)などが減少した。

輸入原油単価は前年比35.8%下落の4万7895円/キロリットルで、ドルベースでは同43.8%下落し63.8ドル/バレルだった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は1兆6908億円の赤字。輸出は前年比11.9%増、輸入は同4.8%減だった。

*内容を追加します。   

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