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欧州市場サマリー(10日)

2015年02月11日(水)05時15分

[10日 ロイター] - <為替> ドルが円に対し一時1カ月ぶり高値をつけた。米債利回りが軒並み上昇していることが背景。一方、ユーロはギリシャ支援交渉をめぐる不透明性に圧迫された。

ドル/円は1カ月ぶりの高値となる119.61円をつけた後、0.7%高の119.46円で推移した。

ユーロ/ドルは一時0.2%安の1.1297ドルをつけた。その後は、欧州委員会が妥協案を提示し、ギリシャに6カ月間の支援延長申請を求めるとの報道を受け、下げ幅を縮小した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.4%上昇し、94.790をつけた。

<ロンドン株式市場> 続落。中国の需要低迷が懸念されてコモディティ関連株が売られ、全体水準を押し下げた。

朝方発表された中国の1月の消費者物価指数(CPI)は伸び率が約5年ぶりの低水準に落ち込んだ。生産者物価指数(PPI)は低下した。世界最大の金属消費国である中国の経済低迷があらためて示され、鉱業株に売りが集中。鉱業株指数<.FTNMX1770>は2.81%低下した。

国際エネルギー機関(IEA)が10日公表の月報で、原油在庫が今年半ばに過去最大になるとしたことで、北海ブレント原油の価格は1バレル=58ドルを下回った。中国の需要低迷懸念と合わせて市場の重しとなり、原油・天然ガス株指数<.FTNMX0530>は1.93%低下した。

一方、英スーパーマーケット最大手のテスコは3.6%上昇した。調査会社カンター・ワールドパネルによると、テスコの売上高は1年ぶりに伸びた。

スーパー大手のWMモリソンは売上高が2013年12月以来の大きさとなり、株価が3.4%上昇した。

小売り大手マークス・アンド・スペンサー(M&S)も4.9%上昇し、FT100種の中で最も大きく伸びた。RBCキャピタル・マーケッツが投資判断を引き上げたことが好感された。

<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。ギリシャの債務問題をめぐる交渉が合意に達する可能性を示唆した複数の報道で、市場心理が好転した。

FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は8.38ポイント(0.57%)高の1488.39で取引を終えた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は35.38(1.06%)高の3383.13で引けた。

ギリシャの主要株価指数<.ATG>は7.98%上昇した。ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)は20.8%、ユーロバンクは19.7%、ピレウス銀行は15.6%値上がりした。

オーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナルは7.1%の値上がりだった。ロシアとの取引を減らすほか、ポーランドとスロベニアの事業を売却するとの発表が好感された。

監視カメラ世界首位であるスウェーデンのアクシスは49.9%上昇した。キヤノン<7751.T>が約236億スウェーデンクローネ(約28.3億ドル)でアクシスを買収すると発表したことが好感された。

一方、スイスの銀行大手、UBSは2.6%下落した。スイスフランの急上昇とマイナスの中銀預金金利がもたらす影響に警戒感を示したことが不安視された。

<ユーロ圏債券> ギリシャ国債利回りが前日から一転して大幅低下した。難航しているギリシャ新政権と欧州諸国との債務協議が前進するとの期待が追い風となった。

マーケット・ニュース・インターナショナル(MNSI)は関係筋の話として、欧州委員会が妥協案を提示すると報じた。ギリシャに6カ月間の支援延長申請を求め、その間にすべての懸案事項や支援後の計画を協議、合意する段取りを想定しているという。

だが欧州委の報道官はこれに対し、ギリシャ債務問題の解決に向けた正式な提案を行っていないとした。

ギリシャ3年債利回りは250ベーシスポイント(bp)低下の19.36%。5年債利回りは138bp低下の15.19%。ただ両利回りともに依然10年債の利回り水準を大きく上回っており、投資家のデフォルト(債務不履行)懸念が根強いことを示している。

10年債利回りは85bp低下の10.46%。

ロイター
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