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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
拉致犯をツイッターで出し抜いた男
アフガニスタンで監禁されていた日本人ジャーナリストの常岡浩介は、思いもよらない手段を使って誘拐犯の目を欺き、自身の状況を外部に伝えていた。ツイッターだ。
犯人グループは9月3日、購入したばかりのノキア製の携帯電話の使い方を常岡に聞いてきたという。彼は電源を入れ、インターネットへのアクセスの仕方を教えた。そして中東の衛星テレビ局アルジャジーラのホームページを見せた後、行動を起こした。
そのとき彼らに、ツイッターと呼ばれるサービスがあることを教えた。すると、どんなものか見せろと言うので、彼らの目の前の携帯電話を使ってツイート(つぶやき)を書き込んだ。誰も英語が分からなかったから、問題はなかった。
そのときの常岡の書き込みは2通。1通目は「まだ生きているが、牢の中にいる」。そして2通目は「ここは(アフガニスタン北部の)クンドゥズ州アルチにある、ラティブ司令官の監獄だ」というものだった。翌日の9月4日、彼は解放された。もっとも彼自身は、身代金の受け渡しに失敗したため解放されたと考えている。
常岡は監禁中、食事も1日3回与えられるなど丁重に扱われたらしい。しかし犯人グループは「極端に教育レベルが低かった」とし、「イスラムの教えに関する知識すら非常に乏しかった」という。
常岡は、犯人たちは武装勢力ヒズビ・イスラミの指導者グルブディン・ヘクマティアルに忠誠を誓う兵士たちだと主張。アフガニスタン政府や一部メディアが報じたタリバン犯人説を否定した。
ヘクマティアルは、旧ソ連軍が1980年代にアフガニスタンへ侵攻した際に戦場で名を上げたゲリラ組織、ムジャヘディンの元司令官。ヒズビ・イスラミはアフガニスタンで2番目に大きいといわれる武装勢力だ。
----アンドルー・スウィフト
[米国東部時間2010年09月08日(水)15時52分更新]
Reprinted with permission from "FP Passport", 10/9/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
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