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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
世界で最も無意味なテロ集団
Cathal McNaughton-Reuters
テロは政治的戦術として決して擁護できるものではないが、少なくともテロの背景にある政治的動機を特定することは可能だ。しかしそれは、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の分派「真のIRA」にはまったく当てはまらない。彼らは、イギリス政府が北アイルランドでの司法・警察権を自治政府に移譲した直後、こんな事をしでかした。
「真のIRA」は、対テロ情報機関MI5の北アイルランドにおける拠点で、厳重に警備された施設「パレス・バラックス」の門に爆弾を運ぶよう、ベルファストのタクシー運転手に強要したことを認めた。
警察幹部によると、運転手の勇気ある行動がなければ、裕福なベルファスト郊外のパレスわきに住む一般市民が爆弾であっけなく殺傷されていたはずだという。
運転手(名前は非公表)は武装した3人から、爆弾をパレスに届けてそれを黙っておけ、さもなくば彼か家族を処刑すると脅されていた。だが彼は、外周の門の外に車を止めるとすぐに「爆弾だ!」と叫んだという。
20分後、近所の老夫婦や家族らを警官が避難させているさなかに爆弾が爆発し、屋根や庭に金属片やがれきが降り注いだ。けが人はなかった。
テロを「卑怯」と表現するのは政治的な決まり文句になっている。タクシー運転手の家族を誘拐したうえで本人に爆弾を住宅街まで運ばせるという行為には、それ以外の単語が思い浮かばない。
「真のIRA」のテロは下手で頻度も少ないため、市民に幅広く恐怖を植え付ける可能性は小さい。無神経で政治的に鈍感な彼らが共感を呼ぶとも思えない。
しかも主流の共和主義政治家たちが「真のIRA」の行為を容赦なく批判している。元IRA司令官のマーティン・マクギネス自治政府副首相は「政治状況は永遠に変わってしまったのだから、時間の無駄、まったく無益」とこき下ろす。
もう足を洗うべきときだろう。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年04月12日(月)13時50分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 13/4/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
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