ベトナムと日本人
ベトナム製の衛星 JAXAロケットで宇宙へ! 高機能OBC実証衛星
ベトナム製の衛星が日本のロケットによって軌道に打ち上げられる予定です。
この記事では、ベトナムの高機能OBC実証衛星「ナノドラゴン」とベトナム国立宇宙センター(VNSC)、
日越の共同宇宙事業について紹介します。
ナノドラゴンはベトナム国立宇宙センター(VNSC)が開発したキューブサットで、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡され、「革新的衛星技術実証2号機プログラム」により、
イプシロンロケット5号機で打ち上げが行われます。
打上げ日時は2021年10月1日午前9時15分(日本時間)の予定
10月1日(金)9時15分から、#イプシロンロケット5号機 打上げLIVE番組を配信します!#イプシロン応援https://t.co/lFZh63zUmH
-- JAXA(宇宙航空研究開発機構) (@JAXA_jp) September 30, 2021
JAXAの発表によると、打上げ日時は2021年10月1日午前9時15分(日本時間)です。
YouTubeでライヴ放送があります。
※この日の打ち上げは当日発射前に地上局に問題が発生し、中止となりました。
本日の打ち上げは中止になりました。
-- JAXA(宇宙航空研究開発機構) (@JAXA_jp) October 1, 2021
詳しい情報はJAXAウェブサイトでお知らせします。 https://t.co/4NvvC99OMo
ベトナムの衛星の打ち上げはこれで3回目
実はベトナム製の衛星の打ち上げは今回で3回目です。
1回目は2013年、2回目は2019年、そして3回目は2021年10月1日となります。
いずれも日本の協力で開発・打上げをしています。
1回目に、VNSCはベトナム初の衛星「ピコドラゴン」という、
重量が1kgのスーパーマイクロ衛星の開発・製造に成功。
↑ピコドラゴン打ち上げ時のTVニュース
2013年に軌道に打ち上げられました。
2回目の衛星は、日本の専門家の指導の下、VNSCの36人のスタッフにより製造された、
50キログラムの「マイクロドラゴン」です。
↑マイクロドラゴン打ち上げ時のTVニュース
宇宙から撮影した画像を地上局に送ることが出来る衛星で、
2019年1月に軌道に打ち上げられました。
そして3回目が2021年10月1日打ち上げ予定のナノドラゴンと言う訳です。
ナノドラゴンとは?
ナノドラゴンは、2016年から2020年にかけて、宇宙技術に関する国家科学技術プログラムの下での、
超小型衛星を作成するプロジェクトの成果物であり、
日本の明星電気株式会社とベトナム国立宇宙センター(VNSC)によって共同開発・製造されたキューブサットです。
ナノドラゴンに搭載される高機能OBC(オンボードコンピュータ)は衛星のセンサーやカメラのデータを分析し、
衛星自体をコントロールする最も重要な部分であり、
明星電気は、民生品を利用した安価で高性能なOBCの開発、軌道実証を行い、
海外市場での展開も視野に入れた製品化を目指している。
ナノドラゴンは日本の企業と共同研究の下に衛星の部品や回路すべてがベトナムで生産とテストを行われてる、
まさに日越共同の「ベトナム製」衛星なのです。
またベトナム国立宇宙センター(VNSC)のディレクターであるファム アイン トゥアン博士によると、
ナノドラゴンは太陽同期軌道で作動し、超小型衛星ビーム技術を使用して、
追跡および監視の目的で使用される船舶の自動識別(AIS)を受信できることを証明する目的で開発されたとのこと。
ナノドラゴンは2021年3月初旬に、九州工業大学で振動、衝撃、および熱真空試験を受け、品質管理試験に合格しています。(参照)
ベトナム国立宇宙センターとは?
上の動画にもあるように、ベトナム国立宇宙センターにはベトナムと日本の国旗が翻っています。
ベトナム国立宇宙センター(VNSC)は、ベトナム科学技術アカデミー(VAST)傘下の研究センターです。
VNSCは、衛星技術における研究開発、技術応用・開発の機能を持っている。
2011年11月、ベトナム政府と日本政府はベトナム宇宙センタープロジェクトのODA融資契約に署名しました。
そして、これまでハノイ人材育成・宇宙技術移転センター(2016年)、ニャチャン天文台(2017年)、
ハノイ市 ベトナム宇宙センター(2018年)、
ホーチミン市 航空宇宙アプリケーションセンター(2020年)を完成させています。
このハノイ市、ホーチミン市、ニャチャンの各センター・天文台には、
合計で日本で衛星の設計と製造に携わる50人のベトナム人スタッフと、
日本の宇宙技術訓練を受けた32人のベトナム人スタッフが在籍しています。
進む日越共同の宇宙事業開発
2007年、Pham Anh Tuan博士らは、JAXAの協力で、研究、設計、製造、テストを含むベトナム製衛星である、
「ピコドラゴン衛星プロジェクト」を立ち上げました。
これは、ベトナムの衛星の戦略にとって重要なマイルストーンでした。
2008年には、ベトナム宇宙技術アカデミー(VAST)のエンジニア5名が、
JAXAの衛星開発訓練に初めて派遣されました。
そして2012年9月当時、副首相アエン・ティエン・ナンはこのように述べています。
「ベトナム宇宙センタープロジェクトは、国家重点プロジェクトであると同時に、
この35年間でベトナムの科学技術における最大の投資プロジェクトの一つであります。
政府は、プロジェクト「2020年までの航空宇宙技術の研究と応用に関する戦略」の実施を全面的に支援するもので、
このプロジェクトは、宇宙技術におけるベトナムと日本の戦略的協力の始まりでもあります。」
発射予定日の10月1日は日越の宇宙事業の戦略的協力の始まりとなる、まさに記念日で、
今後の日越共同の宇宙事業の展開にも期待が持てる。
Vietnam National Spece Center / ベトナム国立宇宙センター 公式ウェブサイト
JAXA 宇宙航空研究開発機構 /JAXA 宇宙航空研究開発機構公式ウェブサイト
革新的衛星技術実証2号機/イプシロンロケット5号機 /革新的衛星技術実証2号機/イプシロンロケット5号機 公式特設サイト
明星電気株式会社 /インタビュー
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著者プロフィール
- ヨシヒロミウラ
ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x