ベトナムと日本人
ベトナム3大都市をロックダウン!デルタ株と戦闘するベトナム国民
「敵と戦うようにパンデミックと戦う」。
これはベトナムのグエン フー チョン(Nguyễn Phú Trọng)書記長が、
新型コロナ感染抑込みの呼びかけで毎回言う言葉だ。
「戦争だ」とまで言わないが、ベトナムでは新型コロナ感染拡大防止は「対戦」なのだ。
「ウィズコロナ」のように、コロナと共に生きるような言葉を使う事はありません。
ベトナム国民はデルタ変異株と戦っているのです。
この「対戦」精神で第3波まで感染者数が2千人台、死者40人台に抑えて勝ち続けてきたベトナムですが、
2021年4月27日から始まった第4波で大苦戦を強いられています。
8月3日朝までの総感染者数はなんと165,286人、死者1167名。
たった約3ヶ月であっという間に3波までの感染者数の約80倍、死者数は約29倍にまで増大してしまったのだ。
これは作戦変更せねば。。。。
第4波の強敵、デルタ株を倒すベトナムの戦略は何なのか?
日本とは違うその「戦い方」を紹介します。
ホーチミン・ハノイ・ダナン、ベトナム3大都市をロックダウン
夕方のホーチミン。
-- タッチ (@naoyavietnam) July 28, 2021
18時以降外出禁止なので誰もいない pic.twitter.com/kLgVHP7xqB
ベトナムは第1波で実施したロックダウン(第2・3波はロックダウン無し)よりさらに厳しいロックダウンを、
ベトナム3大都市、ホーチミン・ハノイ・ダナンに実施した。
敵である「デルタ変異株」がベトナムの大都市、ホーチミン・ハノイ・ダナンの集中攻撃を開始したからだ。
首相指示CT16という社会隔離基準を基にホーチミン、ハノイ、ダナンの順にロックダウンを実施。
さらに南部で感染が広がっている1市16省にも首相指示CT16を基にした社会隔離を実施。
現在は感染拡大が蔓延しているホーチミン市を一番厳しくロックダウンしている。
タンビン区は72箇所にて検問と442箇所にバリケードなどを設置。
-- watanabe (@tho_saigon) July 16, 2021
家の周辺も大通りに出る通り以外はバリケードが設置されて出入りができなくなってます。#ホーチミン pic.twitter.com/QWocywIyyX
外出禁止。買い物は買物券が無ければ出来ない。
また夜6時から朝6時までの外出も禁止。
とても厳しい隔離措置です。
これら社会隔離期間中の規則に違反すると罰金です。
下の記事にCT16の内容について書いています。併せてお読みください。
■ハノイ 首相指示CT16 社会隔離を実施 大使館からのメール
■ダナン市 7/31からCT16社会隔離実施 大使館からのメール
上の動画は不要不急の外出を取締る警察官です。場所はハノイ。
路上でマスク無しの喫煙は不要不急の外出なので、罰金。
大通りから路地まで警察はパトロールします。
これらの対策実施でホーチミン市はここ数日で感染増加数はピークを過ぎた様子で、減少はまだしていないが、連日同じくらいの数字が続いている。
しかし、ワクチン数が足りなく、まだホーチミン市民全員がワクチンを接種出来ていなかったり、
いくつか野戦病院は建築されたが、急激な患者数の増加で病床不足に陥っているため、
感染者でも自宅に居なければいけない患者が増えてきている。
そのため死者が急激に増えているのです。
公園に急遽作られた野戦病院。
-- Kentaro Ishiguro (@Kentaro1496) July 25, 2021
救急治療室、医療スタッフエリア、検査陽性のゾーンA、基礎疾患のある人向けゾーンB、約100床の無症候性患者のゾーンCで構成。病院への移送を待つ間、重度のF0患者がここで治療される。WiFiありクーラー無し#ベトナム #ホーチミン #コロナ禍 https://t.co/yy9zkVjPy0 pic.twitter.com/NF8zqU5frv
ハノイでは8月末の完成予定の野戦病院が急ピッチで建築されています。
■ハノイに500床の新型コロナ重傷患者用の野戦病院 8月末に完成予定!
ハノイは連日の60~140人くらいの感染者数が続き、ホーチミンより少ないとはいえ、油断が出来ません。
通勤には通行証が必要であり、不要な外出は禁止。
ダナンは今のところ毎日約50人から多くて70人の感染確認。
デルタ株との戦いは現在進行形で、戦局は常に変化し、実施する対策はすぐに変更されるので、
報道をよくチェックして対応していかなければならない。
特に外国人は情報入手が遅いから、意識的に早く情報を得ないとベトナム人の足手まといになりやすい。。。
ベトナムの対デルタ変異株戦の勝利の日はいつか?
前向きに対戦して勝たなければ、明日はありません。
自分が感染拡大させないように努めて、デルタ株と対戦しなければなりません。
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著者プロフィール
- ヨシヒロミウラ
ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x