ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
第9話「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち
みなさん、こんにちは。
今回の投稿はシリーズになっていますので、まだ読まれていない方は第一話から先に読んでいただければと思います。
よろしくお願いします。
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/shimmachi/
「いよいよ、今日は自分の撮影シーンがある」
その日の朝食をみんなで食べている時にそんな話になり、いよいよかという気持ちになりました。
因みにこの時まで一体どんなシーンなのかも全く聞かされていません。
前回までにもお伝えしたところではあります。
この辺り非常に柔軟で独特な映画製作が行われており、このシーンももしかすると私の役がマストという事ではなかったのでは?という疑念が頭をよぎりますが、とにもかくにも自分たちが住んでいるヤンゴンから5時間以上もかけてきたロケ先での最初のシーンです。
そしてもう一つのシーンも同じ日に撮影がありました。
実はこれが私のこのロケ先での最初であり最後の撮影日になりました。
私がヤンゴンへ戻った後にも撮影は続いたのですが、私や、撮影のスケジュールも鑑みて私撮影はこの日のみという事になりました。
このロケ期間中、どうしてもヤンゴンで前から予定していたバンドのライブがあり、さすがにこれだけは外せないという事で一時的に戻る予定だったのですが、戻る前日にそれ以降のシーンでの出演がない事を告げられ、「もしスケジュールが空いていればその先の出演もあったんだろうな」と思うと非常に残念でした。
因みにその時のライブの様子がこれです。
非常に楽しいライブだったので後悔はありません。
さて、そんな話はさておき、撮影です。
衣装さんや、メイクさんなどにお世話になりながら準備を進めます。
因みにですが、私の準備している間にも様々な小道具などがチェックされたりしていました。
中にはこんなものも。
これ何を隠そう本物だそうです。
そっくりのものを作るより、軍が持っていた本物を借りる方が早いからという事だそうで、もし弾を込めれば普通に打ててしまう本物の銃がズラリと並べられていました。
きっと海外ではよくあるんでしょう。
そう思う事にしました。
日本では考えられないことですね。
そして、鈴木大佐と共に、30人志士たちに作戦立案などについて教えるというシーンの撮影です。
出演者が非常に多く、そこまで長いシーンではないのですが、準備に時間がかかります。
たかが作戦、されど、その作戦一つ一つには兵たちの命がかかっている。
そんな緊張感のあるところを表現すべく俳優やスタッフが一丸となりシーンを作り上げます。
カメラアングルを変えたりして何度も取り直してこのシーンを撮り上げました。
そして今度は私が日本語を教えるシーン。
黒板にどんな言葉を書けば良いかなどを監督と話し合うのですが、最終的に3つ決めて書きました。
因みにこの真ん中の
ご飯は食べましたか?
というのはミャンマーでは「こんにちは」の次にはお決まりで聞く挨拶みたいなものなので、入れてみました。
日本では挨拶代わりに聞く事はありませんが、敢えて入れて見たら面白いと提案してみました。
これは私がそれぞれの文を読んでみんなが続くというなんともほんわかするシーンでした。
みんなの先生になった気分でした。
そして撮影の合間にみんなで記念撮影。
そんなこんなで、結果私の唯一の撮影日となった1日は終わっていきました。
待ち時間はほぼずっとビーチを見ながらボーッとしたり、他の出演者の日本人と話したりしていました。
因みにこのビーチで空いている時間に仕事をしている人も数名いました(笑)
皆ミャンマーでたくましく楽しく生活している頼もしい仲間達だなと思いました。
さて、長らく続いたこの映画アウンサンのシリーズも次でラストになります。
その他のロケの様子やその後のことなど、そして、皆さんもうお忘れかもしれませんが、私がこの映画をキッカケに考えた新たな映画企画についてお話しようかと思っています。
次回シリーズ最終章、お楽しみください。
それではまた明日。
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
Twitter:@tomoyangon
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