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スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~

永田賢|インド

COVID19下でのベンガルールのクリスマス

筆者撮影、ベンガルール市内

そろそろクリスマスの時期ではありますが、私の周りでは、日本や欧米のそれと比べて、クリスマスをあまり感じることができません(苦笑)

もちろん、お店によっては、クリスマスデコレーションやクリスマス商戦向けの仕様を見ることができますが(;´・ω・)

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(ベンガルール市内、筆者2020年12月撮影)

1.インドの「ディワリ」

どちらかといえば、10-11月の「ディワリ」シーズンの方がお祭り感を体感することができました。

この「ディワリ」はインドの1年で最も重要なお祭りで、暗闇に対する光の勝利、無知に対する知識の勝利、悪に対する善の勝利を祝う時として祭事が実施されます。ディワリは5日間であるとされ、その間に祈り、祝宴、花火、家族の集まり、慈善活動などが行われます。

ディワリはまた、新しい年の始まりでもあると考えられています。

このディワリはサンスクリット語で「光の列」を意味するdipavaliから派生したものであると言われています。

以下は、やや昔の写真ですが、ディワリを祝うために「ランゴリ―」と呼ばれる幾何学模様の砂絵となっています。ディワリ祝いの際によく描かれます。

作り手によって模様や色合いが異なり、日本では滅多に見ることができない「美」の一例だと言えるでしょう。

写真の説明はありません。

(筆者撮影、2017年10月、ベンガルールにて)

ディワリシーズンも渡印してからもう4度目になりますが、今回はCOVID19の流行もあるので濃厚接触を避けるためにお祝いも例年に比べて控えめになるかと想定していましたが、そうでもありませんでした。

例年、爆竹と花火でひたすらどんちゃんどんちゃんお祝いが実施されますが、今年も例年に負けず劣らず、夜中までお祭りモードでした。

毎年感じているのですが、これだけ煙や爆竹がさく裂したら、大気汚染が悪化するのではないかと懸念しています。

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(筆者撮影、花火と煙だらけになった街中の様子。2020年11月撮影)

祭事シーズンに伴い、濃厚接触が増えて感染者数が爆増するのではないかという懸念もありましたが、11月19日から12月19日のデータを見てみると、そこまで爆増している傾向は見せてないです。

【グラフ】1日ごとの新規感染者増加数(青)と7日移動平均線(オレンジ)

(元データ:Coronavirus Outbreak in India - covid19india.org より筆者グラフ作成)

統計自体、もう気にしていませんでしたが、改めて見ていると、一日平均5万人から8万人の新規感染者数を記録していた時期と比べると数そのものが減ってきているように感じられます。

ディワリで感染者が爆増するかという懸念も報道されていましたが、このままリビングウィズコロナを続けていき、どうなることでしょうか、注視が必要です。

2.ベンガルールでのクリスマス

さて、クリスマスに話を戻しますと、今年も例年通りクリスマス需要を喚起すべく、ホテルやレストランがクリスマスプランを提示してきています。

CONRAD Bangalore

Shangri-La Bangalore

Oberoi

VIVANTA

大型モールでもところどころ、クリスマス感を出している店舗もあります。

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(筆者撮影、2020年12月、ベンガルール市内にて)

オンラインを見てみると、Amazonを筆頭にクリスマス商戦の準備は万端のようです。

(AMAZON INDIAより引用)

クリスマスの休み方としても、皆さん比較的ディワリシーズンにがっつり休む人が多い印象です。

とはいえ、クリスマスでも有休が余っている人が追加で使ったり、キリスト教徒の人ががっつり休んだり、25日だけお休みしたりと、様々となっています。

年末年始に向けてですが、多くの会社が12月31日まで稼働して、1月1日だけ休んで1月2日から稼働開始と言う会社も多いです。

ですので、たまに日本の仕事納めのタイミングと仕事始めのタイミングを勘違いしてしまい、「日本からの返信がない、どうなったんだろう。」となっていると実は休みだったというケースも散見されます。笑

私もインドのカレンダーで動いているので、今年も1日だけ休んで2日から通常通り稼働となる見込みです。インドに来た当初は正月休むことができないのか・・・と感じていましたが、4年も同じサイクルで動いていると慣れてしまい、逆に休み過ぎず体のサイクルが程よく保たれるのではないかと思っています。

加えて、過去の思い出としては、Secret Christmasと題して、職場でクリスマスプレゼントを匿名で交換し合うという催し物がありました。人によってプレゼントのチョイスが多種多様で面白かった記憶があります。(ソニーのイヤホンをプレゼントしたら喜んでもらえましたw)

参考までに、以下は、インドの宗教分布ですが、13億人のインド人口とすると、キリスト教徒は約3000万人ということになります。ベンガルールだと約840万人から約1000万都市なので、見積もって約20万人はキリスト教徒ということになるのでしょうか。

(インド国勢調査2011年、Census2011より筆者作成。)

これだけ多様な宗教構成なので、それぞれの宗派で思い思いに宗教行事を実施するので、キリスト教徒も同じようにクリスマスを祝うのだと考えられます。(日本にキリスト教を伝来したフランシスコ=ザビエルもインドに立ち寄っているので、布教も進んでいったのかなぁと歴史に思いを馳せることもできます。)

クリスマスをきっかけに思い返してみましたが、改めて、日本に比べてインドの方が「宗教」がより身近に感じられることが多く、文脈や考え方を知っておかないと、と感じることも増えてきました。

インドの宗教関連はまた折に触れて、記事にしてみたいと思います。

少し早いですが、インドからハッピークリスマス!

 

Profile

著者プロフィール
永田賢

Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。

Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/

Twitter: @osada_ken

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