悠久のメソポタミア、イラクでの日々から
イラクで2回目のワクチンを接種しました!
イラクのアルビルはここ数日40℃を超える日も出てきており、一気に夏の気配を帯びてきています。
先日、イラクで2回目のワクチン接種を受けてきました。
私は仕事柄、現地の病院内に事務所を構えており、病気で免疫力が低下している子どもたちと毎日接していることからも優先接種の対象となり、3月終わりに一回目の接種を受けていました。
もともとは病院のスタッフが優先される予定で私たちは後になる予定だったのですが、病院のお医者さんや看護師さんがワクチンを忌避したことで私たちにワクチンが回ってきました。そこら辺の詳しい経緯は、こちらの記事をお読みください。
正直、ワクチン接種前に消毒もされないし、接種後に起きることもあるアナフィラキシーショックのための待機時間もなく、心配になる接種ではあったのですが、看護師のおじさんも気さくで楽しく受けることができました。
アストラゼネカ製のワクチンは一回目の副反応の方がきつく二回目はそうでもないと言われていますが、私自身は一回目も二回目も肩が少し張ったくらいで大した副反応もなく終わりました。
ただし周りの接種した人間では最低でも微熱の症状が出ており(一番ひどい人では解熱剤を飲んだり病院で点滴を受けたりというのもありました)、次の日までにある程度の副反応の準備はした方がよいでしょう。
イラクの感染状況
5月30日までにイラクでは約120万人の新型コロナ陽性者が確認されおり、死者は1万6,000人を超えています。
しかし初期の頃からは改善されたとはいえ、検査体制の不備などから実際にはこの3-4倍近い感染者がおり、死者も実際にはもっと多いだろうとみられています。
現在は第二波もピーク(一日に8,000人を超える陽性者の時期)を過ぎ一日に3,000人強の陽性者数にまで下がってはいますが、トレンドの下げ止まりも起きておりまだ落ち着かない日々が続いています。
イラクのワクチン接種状況
またイラクのワクチン接種状況ですが、5月25日までに約55万回の接種が完了しています。
イラクの人口が約4,000万人であることを考えると、完全接種で約27万5,000人分。まだ人口の1%の接種も終わっていないことになります。
イラクも「COVAX(コバックス)」の支援対象国であり、現在までに2回、ワクチンが届けられています。しかしこの体制は人口の20%分までの支援でしかないことからイラクも独自ルートでのワクチン購入を進めており、隣国のイランから1億2,500万ドル分のイラン産ワクチンの購入を進めているという情報もあります。
感染の第二波が落ち着き始め日常生活も戻りつつあるイラクですが、変異株によるさらなる感染拡大も危惧されており、コロナ前の日常が戻るのは当分先となりそうです。
著者プロフィール
- 牧野アンドレ
イラク・アルビル在住のNGO職員。静岡県浜松市出身。日独ハーフ。2015年にドイツで「難民危機」を目撃し、人道支援を志す。これまでにギリシャ、ヨルダン、日本などで人道支援・難民支援の現場を経験。サセックス大学移民学修士。
個人ブログ:Co-魂ブログ
Twitter:@andre_makino