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カリフォルニア法廷だより

伊万里穂子|アメリカ

カリフォルニア州知事のリコールとそれに続く茶番劇

Oleksil Liskonih iphotostock

カリフォルニア州知事がリコールされました。初めての事ではありません。以前の知事デービス知事もリコールにあい、その後当選したのがシュワちゃんでした。

今回のリコールの理由は現知事がロックダウンをしてレストランや商業に多大な被害を蒙った事とからしいですけど、コロナは知事のせいじゃないし、正直リコールを発動する署名数がそんなに多くない事の方に問題を感じます。

そして共和党から出馬しているのが元オリンピック選手でトランスジェンダーのケイトランドジェナー。Keeping up with Kardaishans というリアリティーテレビで若い人にも一躍有名になった人です。

私はトランスジェンダーという事に全く問題はないと思っていますが、全く政治の経験のない芸能人が政治家になる事は大問題だと思っています。それは前大統領を見ればよく分かる事です。少し知名度があるだけで当選したはいいもののたたき上げの政治家のように現場での経験ゼロな人には無理な仕事だと思っています。

このジェナーさんはしかも共和党から立候補しています。保守派の共和党員からはLGBTQの旗を掲げている事や違法移民受け入れ発言で煙たがられ昨日は違法移民も受け入れるような事を表明して総スカンを食っています。

自分の出ている党からの支持が見込めない上に、LGBTQからの支持も見込めません。彼らは絶対に共和党には投票しないし、性転換をした元男子は女性としてスポーツに出るのはフェアじゃない、と言ってまたLGBTQから総スカンでした。なので少し知名度があっても誰も支持していません。

前回のリコールでシュワちゃんが当選したのは圧倒的な知名度と党の派閥を超えての人気ゆえでした。それが見込めないこの候補者はまあ、当選しないだろうと言われています。

他にも数名南カリフォルニアの共和党員が立候補していて、コマーシャルをガンガン流していますが、コマーシャルとキャンペーンのために熊をレンタルしてきて、本当にこれば茶番劇だ、と失笑を買っています。

アメリカでは茶番劇の事をサーカスと言いますが、サーカスには熊がいるので、まあそのちょうどいい事と言ったら。

正直リコールのために一体いくらの税金が無駄に使われるんだろうと思うとイラッとします。

もっと署名数を増やしてリコールのハードルは上げた方がいいのにな。と思います。

 

Profile

著者プロフィール
伊万里穂子
大学中退後カリフォルニアに移住。海外で手堅い職業をと思い立ち公務員に。裁判所の書記官になる。勤続18年目たった一人の日本人書記官として奮闘中。ブログ「リフォルニア法廷毒舌日記で日々社会の縮図とも言える法廷内で繰り広げられる人間模様を観察中。著書:「お手本の国の嘘」新潮新書

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