日本は四季から「二季」へ? 人生の「青春」も「白秋」も季節の風物詩も失われつつある?
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<梅雨の季節に思う、日本の季節と暮らしに迫る「変化」。中国では人生を春夏秋冬になぞらえて「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」に区分けする>
東京も梅雨に入り、この原稿を書いている今日も窓の外ではじとじとと雨が降っている。春夏秋冬、そして梅雨。日本の暮らしは季節の移ろいと共にある。
だが最近は温暖化の影響なのか、春と秋が短くなり、「二季」になりつつあるとも言われている。果たして日本の四季はどうなるのだろうか。
梅雨と言えば思い出すのは、初来日した1987年のこと。成田に着いたのは春分の日で、3月下旬から半年ほど東池袋に程近い大塚の安藤荘という安アパートに住んでいた。風呂なし、トイレ共同、当然エアコンもない。大家さんに「中国にも梅雨はある?」と聞かれ、「あります。慣れているので大丈夫」。そう答えた記憶がある。
広大な領土ゆえ、もちろん全土ではないが中国にも梅雨はある。南部から東部の長江下流域にかけて梅雨前線が張り、日本と同じ時期に恵みの長雨が降る。幼少期を過ごした浙江省も例外ではなく、しかもその時期は梅の成熟期。地域の特産である楊梅(ヤマモモ)は甘酸っぱくとてもおいしいので、少年の私にとって、梅雨はむしろ待ち遠しい季節だった。
しかし実際に経験してみると、日本の梅雨は想像以上だった。じめじめとした湿気は中国以上。来日当初は洗濯機もなく、服も数着だけ。毎日汗まみれなのに、節約のため銭湯に行くのも3日に1回程度だったので、なんともつらい毎日だった。
そんな長雨の季節に、70代の大家のおばあさんから紫陽花の切り花を頂いた。空き缶に差して飾ったその紫陽花(あじさい)にどれほど励まされたことか。お世話になった大家さん、さすがにもう亡くなってしまっただろうか......。
ご存じの方も多いと思うが、「梅雨」という言葉は中国から日本に伝わった。
季節に関わる言葉は中国に起源があるものが多い。春分、夏至、秋分、冬至など、一年の暦を24に分ける「二十四節気(にじゅうしせっき)」も紀元前、中国で考え出された概念だ。中国にはほかにも四季に関わるさまざまな概念や表現があり、神話に基づいた次のような属性もある。
春=色は青、方角は東、四神は青龍
夏=色は赤、方角は南、四神は朱雀(すざく)
秋=色は白、方角は西、四神は白虎
冬=色は黒、方角は北、四神は玄武
(四神とは天の方角をつかさどる霊獣)
さらには人生を春夏秋冬になぞらえて、それぞれ「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」と呼んだりもする(玄は黒の意味)。冬に始まり、秋に終わる人生。草木が成長する春が若者たちの季節だ。15~29歳が「青春」とされ、日本では4つのうちこの言葉だけが定着した。
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