日本は四季から「二季」へ? 人生の「青春」も「白秋」も季節の風物詩も失われつつある?
そう考えると、温暖化が進み、穏やかで過ごしやすい春と秋が短くなりつつある日本では、人として成長していく青春も、晩年に人生の実りを楽しむ白秋も失われつつある──と言ったら言いすぎだろうか。
近頃は温暖化の影響で花の開花時期もずれ、和歌や俳句の季語も実態にそぐわなくなっている。もちろん、季節的な表現への違和感は今に始まったことではなく、そもそもの原因は明治維新後、暦を旧暦から新暦に移行したことにある。新暦になったことで旧暦を基にした表現や文化が体感と合わなくなったのだ。
天の川が見えるはずの七夕に雨が多いのも、新暦の7月7日だから。そこに温暖化が追い打ちをかけ、季節感の喪失と違和感は顕著になるばかりだ。
このままでは、日本の魅力も大幅ダウンとなりかねない。四季があるはずの中国からの観光客が日本の四季を楽しみにしているのは、日本ほど風物詩が豊かな国はなかなかないから。春の桜、秋の紅葉、旬の食材......。もしそれらがなくなれば、インバウンドどころではないだろう。
伝統的習慣の再評価とともに、私たちは温暖化対策の加速に本腰を入れなくてはならない。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「周来友の人生相談バカ一代」)としても活動。
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