最新記事
ウクライナ戦争

ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせる作戦か、戦争でタガが外れたのか

Taking No Prisoners: Why Russia Is Executing Ukrainian Captives

2024年10月17日(木)19時03分
ブレンダン・コール
ロシア軍に捕まったウクライナ兵捕虜

ロシア軍に捕えられたウクライナの戦争捕虜。最近までは、捕虜交換用に生かしておいたのだが(2022年6月9日)

<ロシアの超国家主義者コミュニティーでは捕虜処刑の映像が称賛と共に拡散され、「戦争犯罪を正当化し称揚する文化的規範が強化されている」>

ロシア西部のクルスク州で戦争捕虜(POW)となった9人のウクライナ兵が、ロシア軍に処刑されたことが分かった。この残虐行為が示唆するのは、自国が始めた戦争が長期化するなか、ロシアが新たな戦術を採用し始めたことだ。

【動画】座らせ、あるいは伏せさせて...ウクライナ兵捕虜の処刑場面

ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年2月24日からつい最近まで、ロシア、ウクライナ双方とも捕虜を交渉カードとして利用してきた。今年9月にはそれぞれ103人、合計206人の捕虜が交換されるなど、大規模な捕虜交換も実施された。

ところが、戦争研究所(ISW)によると、最近ではロシア軍の指揮官らが捕虜の処刑を「容認、奨励、さらには直接的に命令」するようになり、ウクライナ兵捕虜が殺害される事例が増えているという。本誌はこの件についてロシア国防省にコメントを求めている。

戦争犯罪を扱うウクライナの検察当局のトップであるユーリ・ベロウソフは、ロシア軍によるウクライナ兵捕虜の処刑の80%が今年に入ってから行われたことを示す証拠があると述べている。

公開情報に基づくウクライナの調査分析プロジェクト「ディープ・ステート」の発表によれば、クルスク州のゼレニ・シュラフ村近くで、ウクライナ軍のドローン操縦士らが10月13日、ロシア軍に包囲され、銃撃を受けて投降した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

情報BOX:米・イスラエルのイラン攻撃後の中東にお

ワールド

トランプ氏、ペルシャ湾タンカーの保険支援を指示 海

ワールド

仏、空母「シャルル・ドゴール」を地中海に派遣 大統

ビジネス

ECBは当面金利据え置くべき、戦争の影響不透明=ラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び率を記録した「勝因」と「今後の課題」
  • 4
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中