シングルマザー世帯にとって夏休みは過酷な期間
地域によっては、この差はもっと際立っている。2人親世帯の年収中央値を100とした場合、母子世帯はどういう数値になるかを県別に示すと<表2>のようになる。

県別に見ると、母子世帯の年収が2人親世帯の3割にも満たない県がある。とくに東京は悲惨で、4分の1という有様だ。2人親世帯の年収はおよそ1000万円、母子世帯の年収は約250万円。収入の水準が高い大都市では、1人親世帯の相対貧困が際立つ。
周囲の子が習い事だ、旅行だという中、自分はそれを我慢しなければならない。会話にも入れない。子どもにこういう思いをさせていることに、シングルの親は心を痛めている。
6~14歳の学齢児童生徒のうち、1人親世帯で暮らす子の割合は11%、県によっては2割弱にもなる(『国勢調査』2020年)。決してネグリジブルスモール(無視できる少数)ではなく、政府が為すべきは支援の強化に尽きる。まずは絶対貧困の解消からで、食品購入券(ミールカード)の配布や、エアコンをつけるための電気代割引などを検討するべきだ。
それと養育費の取り立てだ。1人親世帯(大半が母子世帯)の貧困の原因は、女性の賃金が低い、幼子を預けてフルタイムで働きにくい、といったことだが、養育費の不払いも大きい。
不払いの場合は自治体が立て替え、代わりに徴収する制度にするといいだろう(明石市のように)。公の力をもってすれば、支払い義務者から税金の形で取り立てることも可能だ(細かな法改正は必要だろうが)。
子ども基本法がいう「全てのこどもについて、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され保護されること」を実現するに際して、1人親世帯の貧困解消は大きな位置を占める。
<資料:総務省『就業構造基本調査』(2022年)>
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