最新記事
爬虫類

昨年は計209匹を捕獲...18歳未満でも参加可、フロリダ州の「ニシキヘビ・チャレンジ」とは?

Florida Appeals for Help in Python Challenge

2024年6月3日(月)19時00分
ロビン・ホワイト
ビルマニシキヘビ

(写真はイメージです) bebek_moto-Shutterstock

<アジアから持ち込まれ、フロリダで繁殖し続けるビルマニシキヘビ。生態系を脅かすこの害獣を駆除する目的で毎年行われている「ニシキヘビ・チャレンジ」が、今年は8月9日から18日にかけて開催される。その参加資格、賞金は?>

米フロリダ州が毎年開催している「ニシキヘビ・チャレンジ」の登録が始まった。外来種であるニシキヘビの個体数を抑制するため、人々に協力を呼び掛けるイベントだ。

【動画】研究者も気持ち悪さに逃げ出した...切開したビルマニシキヘビの体内から「ほぼ原形のワニ」が出てくる瞬間

この大会では、プロアマ問わず世界中の人々がフロリダ州の湿地エバーグレーズで混乱を巻き起こしているビルマニシキヘビを捕まえることができる。2万5000ドル超の賞金が用意されており、8月9日から18日まで開催される。

最も長いヘビ、最多捕獲数など、賞金はいくつかのカテゴリーで分配される。

ビルマニシキヘビが初めてフロリダ州に持ち込まれたのは1970年代のこと。おそらくエキゾチックペットとして飼われ、その後、野生に放たれたと考えられている。

このヘビの原産地はアジアだが、フロリダ州の亜熱帯気候でみるみる繁殖してきた。その結果、個体数を爆発的に増やし、自然生態系に大きなダメージを与えてきた。

フロリダ州に定着したビルマニシキヘビはボブキャット、ときにはワニなど、貴重な在来生物を捕食する。大きなメスは一度に50〜100個の卵を産むこともあり、個体数は制御不能に陥っている。このように妊娠したメスは多くの子孫を残す可能性があるため、多くの大会参加者がターゲットにする。

多くの個体を駆除する絶好機

ビルマニシキヘビは他の動物に捕食されることのない頂点捕食者であり、世界最大級のヘビでもある。

フロリダ州魚類野生生物保護委員会(FWC)は年間を通じてニシキヘビを駆除しているが、年に一度のニシキヘビ・チャレンジは同州にとって一度に多くの個体を駆除する絶好の機会だ。

参加者は事前にオンライントレーニングを受けなければならないが、狩猟許可証は必要ない。18歳未満でも保護者同伴であれば参加できる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ポーランド、米と約20億ドル相当の防空協定を締結へ

ワールド

トランプ・メディア、「NYSEテキサス」上場を計画

ビジネス

独CPI、3月速報は+2.3% 伸び鈍化で追加利下

ワールド

ロシア、米との協力継続 週内の首脳電話会談の予定な
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    「関税ショック」で米経済にスタグフレーションの兆…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中