最新記事
子育て

5、10、15歳までに、わが子に教えるべきこと...話しにくいが、不可欠な話は「いつ」「どう」伝えるべきか

What You Should Teach Your Kids

2024年3月7日(木)17時56分
ルーシー・ノタラントニーオ(ライフスタイル担当)

スレイブンスはまた、この年頃の子には「大人の付き添いなしにプールや川などの水辺に近づかない」ように教えることが必要だと言う。もちろん道路を横断する際は左右をよく見て、信号が青になってから渡り始めることも。

そして「うれしい」「悲しい」「怒っている」などの感情を言葉で表現する能力も大事。それがコミュニケーションの第一歩だし、共感力を養うことにもつながる。

240312p56_KSD_02.jpg

10歳を過ぎてパソコンやスマホを使う機会が増えたら使用時間やアクセスできるコンテンツに制限を設けよう DIKUSHIN/ISTOCK

■そして10歳までに

もうすぐ中学生だけれど、子供にとってはまだ毎日が新しい学びの連続。でもだんだんと独立心が芽生え、周囲の人を気にし始める。思春期は女子なら8~13歳、男子なら9~14歳で始まる。

「この年頃の子は肉体的にも心理的にもどんどん変化していくから、自分の体に何が起きているのかをちゃんと教えておきたい」と言うのは、子育て世代の共助組織「ペアレント・アノニマス」のリサ・パイオンバーリン会長だ。

悲しいことに、10歳にもなると無邪気ではいられない。特にアメリカでは、幼い子でも銃による暴力から逃れられない。調査機関ピュー・リサーチセンターによると、アメリカでは銃撃で死亡した18歳未満の子供の数が、19~21年に50%も増えている。実際、小学生も複数の銃乱射事件で犠牲になっている。

それから、この年齢で携帯電話を持つのは「特別」であって「当然」ではないということも教えておきたい。「スマホを持たせるのは遅ければ遅いほどいい。いったん持たせたら、インターネット上で語られていることの全てが真実ではないと、しっかり教えておく必要がある」と、パイオンバーリンは言う。

ペアレンタルコントロール機能を使って、自分の子が不適切なチャットルームや見るべきではないコンテンツにアクセスしないように管理する責任が、親にはある。子供のスマホ使用時間にも、一定の制限を設けておきたい。

また、この年になったら一定の危険には自分で対処する必要がある。例えば「1人で留守番しているときは、たとえ相手がアマゾンの配達員でも絶対にドアを開けないこと。たった5分でも何が起きるか分からない」と、パイオンバーリンは警告する。

もう1つ、自分の感情をコントロールする方法も学ばせたい。「まずは親が、共感や気付きの手本を示してやること。独立心が芽生えてきたら、子供だって自分の感情を抑えることを知り、相手には相手の感情があることを理解しなければいけない」と、パイオンバーリンは言う。「そのためにも、家庭内では子供が自分の感情を率直に口に出せるようにしてあげたい」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ブラジル前大統領を拘束、監視装置破損 「薬の影響」

ワールド

広州自動車ショー、中国人客は日中関係悪化を重要視せ

ワールド

韓国、米国の半導体関税巡り台湾と協力の余地=通商交

ワールド

カナダとインド、貿易交渉再開で合意 外交対立で中断
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 5
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中