最新記事
子育て

5、10、15歳までに、わが子に教えるべきこと...話しにくいが、不可欠な話は「いつ」「どう」伝えるべきか

What You Should Teach Your Kids

2024年3月7日(木)17時56分
ルーシー・ノタラントニーオ(ライフスタイル担当)

240312p56_KSD_03.jpg

10代半ばには新しい友人との出会いを深める能力も大事になる MONKEYBUSINESSIMAGES/ISTOCK

■さらに15歳までに

高校に入って、そろそろ自分の進路を考え始める時期になれば、もう道路を渡るときに手をつないでやる必要はない。でもこれから厳しい世の中を渡っていくには、まだまだ親の手助けが必要なはずだ。

本誌が相談したのは認定ライフコーチのハンナ・キーリー。行動療法や神経科学の知識もあり、7児の母でもある彼女によれば、10代も半ばになったら、まず知らない人と話すスキルを身に付けたい。

「うちの子供たちがこの年齢にさしかかると、私は必ず、適切な状況なら知らない人とも積極的に話すよう勧めている」と、キーリーは言う。「生きていくには、ほかの人たちと交わる能力が必要だ。子供はたいてい、大人よりも気配を読める。だから危ない人には近づかない。でも誰かに道案内を頼むとか、図書館の司書に本を探してもらう場合には、こちらから声をかける必要がある。自分から会話を始めるすべを学べば、きっと大人の世界でも自信を持って生きていける」

親が目覚まし時計の代わりをするのも、この年齢になったらやめるべきだと彼女は言う。自分で自分を律することを、そろそろ学んでもらわないといけない。それが大人への第一歩だ。

「ティーンエージャーなら、自分の服の洗濯くらいはできてほしい。自立して生きていくには欠かせないことだから。簡単な料理を作り、食料品の買い出しをし、お金の管理をする能力。そういうのも15歳までには身に付けたい」

そして、インスタグラムなどのSNSとの付き合い方も大きな問題だ。ピュー・リサーチセンターが22年にアメリカの10代の若者1316人を対象に実施した調査では、回答者の半数以上(54%)が、SNSなしの生活は考えられないと答えていた。

この現状を踏まえ、キーリーは言う。世間の親たちは自分の子たちに、オンラインコンテンツの単なる「消費者」ではなく、「クリエーター」になるよう促すべきだ。そして誰かの作ったゲームで遊ぶだけでなく、「何かみんなの役に立ちそうなコンテンツを生み出すように仕向けるといい。ただし『ベッドでスマホは厳禁』といったルールを守らせることも忘れずに」。

この年頃になると、友達付き合いも何かと難しくなる。でも、まずは自分と違う考え方もリスペクトすることを学ぶべき。なぜって、どんなことにも表があれば裏がある。そういうものだから。

「ティーンの子たちには、自分が常に正しいわけじゃないってことを教えてほしい」と、キーリーは言う。「この世に完璧な人はいないし、誰にもその人なりの意見がある。だから他人に共感し、自分の知らない世界や考え方をきちんと理解しよう。そう教えてあげるのがベストだと思う」

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

脅迫で判事を警察保護下に、ルペン氏有罪裁判 大統領

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ

ビジネス

テスラの中国生産車、3月販売は前年比11.5%減 

ビジネス

訂正(発表者側の申し出)-ユニクロ、3月国内既存店
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中