最新記事
ドキュメンタリー

バミューダトライアングルに「興味あったわけじゃない」が、予想外の大発見をしてしまった男の手記

We Made a Historic Discovery

2023年12月1日(金)20時10分
マイク・バーネット(海洋生物学者、探検家)

231205P58_MTN_06.jpg

バーネット(写真・中央) ©2023 A&E TELEVISION NETWORKS. ALL RIGHTS RESERVED.

この海域で消息を絶った船や航空機は多く、それだけに世間の関心が高い。実際に、1925年に忽然と消えた蒸気船コトパクシや50年に消息を絶ったコスタリカの貨物船サンドラなどを発見した。

発見すれば消息を絶った理由を合理的に説明でき、本当はこの海域に「怪現象」などないことを伝えられる。これらはヒューマンストーリーだ。嵐で船が沈み、航空機が遭難すれば、失われる命がある。

私がバミューダ・トライアングルの伝説を利用するのは、世間の目を引き、こうした歴史の一端を伝えるため。それだけで十分にドラマチックで、呪われた海域やら時空のゆがみやら、UFO(未確認飛行物体)やらに頼る必要はないと明らかにするためだ。

私たちが伝える嵐や火災や人為的ミスや管理不十分にまつわる物語は、全て海での悲劇につながる。私たちは遭難事故のベールを剝ぎ、超自然的な要素はないと証明する。

■【動画】バミューダ・トライアングルでの予想外の大発見

シーズン1では予想外の大発見をした。スペースシャトル「チャレンジャー」の全長約6メートルの残骸だ。バミューダ・トライアングルの外で別の航空機を捜索中に見つけた。

私たちは86年のチャレンジャー爆発事故の際のNASAのデータを活用した。当時NASAはチャレンジャーの機体と固体燃料補助ロケットの残骸を全て回収するべく、この海域をくまなく捜索。その過程で海域の地形を把握し、輸送コンテナを見つけ、複数の航空機にも言及していた。

私たちはこの航空機らしき物体を捜索し、あらゆる可能性を消去している最中に、チャレンジャーの残骸に出くわした。非常にショックだった。

私はこれまで何百もの船を捜索してきた。どんなに歴史ある船でも、自分が生まれる何世紀も前のものならピンとこないかもしれない。

限られた時間と資金で

だがチャレンジャーの事故は鮮明に覚えている。当時、私は高校生で打ち上げと事故の一部始終をテレビ中継で見守っていた。その残骸となれば間違いなくこれまでの人生で最も予想外の発見であり、最大の発見かもしれない。

沈没船を発見してその歴史を明らかにしたら、心は早くも次のプロジェクトに向かっている。海底では今も、消息を絶った無数の船が発見される日を待っているのだ。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、和平案の枠組み原則支持 ゼレンスキー氏

ビジネス

米9月PPI、前年比2.7%上昇 エネルギー高と関

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、10月は1.9%上昇 ローン

ビジネス

米9月小売売上高0.2%増、予想下回る 消費失速を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中