最新記事
中東

アメリカでも若い世代はパレスチナ寄り、イスラエルは気をつけたほうがいい

Young Americans pose a problem for Israel

2023年10月12日(木)17時36分
スザンヌ・ブレーク

一方で民主党支持者やイスラエル人とパレスチナ人に対する考えにほとんど差はなく、イスラエル人に好意を持っていると回答した人は60%、パレスチナ人に好意を持っていると回答した人は64%だった。

こうした意見の隔たりは、中東地域で続く紛争に対する見解の大きな違いを反映している。アメリカでは近年、パレスチナ人に対する支持が歴史的な水準に高まっており、イスラエルによるパレスチナ自治区の占領を「民族浄化」だと批判する声もある。

パレスチナ系米国人の組織「ニュー・ジェネレーション・フォー・パレスタイン」の代表で活動家のアメル・ザールはかつて米タイム誌に対して、次のように述べていた。「これは紛争ではなく占領であり、アパルトヘイトだ。立ち退きではなく民族浄化だ。(パレスチナ人が)追い出されたのは、賃料を支払わなかったからではなく、ユダヤ人ではないからだ」

ユダヤ人は第2次世界大戦後、ヨーロッパでの迫害から逃れ、アラブ人とイスラム教徒が多数を占めていたパレスチナにユダヤ人国家を樹立した。その後、両者は数十年にわたって土地をめぐり対立を続けてきており、7日のハマスによる奇襲攻撃をきっかけに紛争が再燃した。

紛争をどう解決する?

イスラエルとパレスチナは、現在のイスラエル建国以来ずっと争いを続けているが、ピュー・リサーチセンターの調査によれば、その最善の解決策について米国人の間にはまだ明確な総意がないようだ。

米国民の3分の1が、パレスチナの地をアラブ人国家とユダヤ人国家に分ける二国家案が最善の解決策だと回答したが、それとほぼ同じ数の27%の国民は単一国家による統治を支持。さらにほぼ同じ数の37%の米国民は、何が最善の解決策かは分からないと回答した。

この問題についても、アメリカの若者と年配者の意見は分かれた。年配者は二国家案を支持し、若者は最善の解決策についてあまり確信がないと回答する傾向が強かった。

アメリカの成人1万441人の見解を分析したこの調査は、ハマスがイスラエルの民間人を奇襲しイスラエルが空爆で反撃するという今回の暴力の応酬が始まる何カ月も前の2023年3月に実施された。

 
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米2月ADP民間雇用、予想上回る6.3万人増 過去

ワールド

イラン軍艦がスリランカ沖で沈没、米潜水艦が攻撃 少

ビジネス

フィッチ、インドネシア見通し「ネガティブ」に下げ 

ワールド

中国政協開幕、軍トップ張氏ら政治局員2人が姿見せず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中