アメリカでも若い世代はパレスチナ寄り、イスラエルは気をつけたほうがいい
Young Americans pose a problem for Israel
一方で民主党支持者やイスラエル人とパレスチナ人に対する考えにほとんど差はなく、イスラエル人に好意を持っていると回答した人は60%、パレスチナ人に好意を持っていると回答した人は64%だった。
こうした意見の隔たりは、中東地域で続く紛争に対する見解の大きな違いを反映している。アメリカでは近年、パレスチナ人に対する支持が歴史的な水準に高まっており、イスラエルによるパレスチナ自治区の占領を「民族浄化」だと批判する声もある。
パレスチナ系米国人の組織「ニュー・ジェネレーション・フォー・パレスタイン」の代表で活動家のアメル・ザールはかつて米タイム誌に対して、次のように述べていた。「これは紛争ではなく占領であり、アパルトヘイトだ。立ち退きではなく民族浄化だ。(パレスチナ人が)追い出されたのは、賃料を支払わなかったからではなく、ユダヤ人ではないからだ」
ユダヤ人は第2次世界大戦後、ヨーロッパでの迫害から逃れ、アラブ人とイスラム教徒が多数を占めていたパレスチナにユダヤ人国家を樹立した。その後、両者は数十年にわたって土地をめぐり対立を続けてきており、7日のハマスによる奇襲攻撃をきっかけに紛争が再燃した。
紛争をどう解決する?
イスラエルとパレスチナは、現在のイスラエル建国以来ずっと争いを続けているが、ピュー・リサーチセンターの調査によれば、その最善の解決策について米国人の間にはまだ明確な総意がないようだ。
米国民の3分の1が、パレスチナの地をアラブ人国家とユダヤ人国家に分ける二国家案が最善の解決策だと回答したが、それとほぼ同じ数の27%の国民は単一国家による統治を支持。さらにほぼ同じ数の37%の米国民は、何が最善の解決策かは分からないと回答した。
この問題についても、アメリカの若者と年配者の意見は分かれた。年配者は二国家案を支持し、若者は最善の解決策についてあまり確信がないと回答する傾向が強かった。
アメリカの成人1万441人の見解を分析したこの調査は、ハマスがイスラエルの民間人を奇襲しイスラエルが空爆で反撃するという今回の暴力の応酬が始まる何カ月も前の2023年3月に実施された。