最新記事
日本社会

日本の労働者の収入格差は、今やアメリカよりも大きい

2023年8月30日(水)11時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

このやり方で186の国のジニ係数を算出した。<図2>は、結果を度数分布の形に整理したものだ。

data230830-chart03.png

186カ国のジニ係数は、0.2074(スロバキア)から0.8598(ニジェール)までの値をとっている。傾向としては東欧や北欧の諸国で低く、アフリカの諸国では高い。後者では、一部の富裕層が土地や生産手段を寡占しているためだろう。

日本のジニ係数は0.4414で、186カ国の中では真ん中の少し下という位置だ。なお主要国のジニ係数は、韓国が0.4309、アメリカが0.4185、イギリスが0.4073、ドイツが0.3880、フランスが0.3636、スウェーデンが0.3002となっていて、これらの中では日本が最も高い。最近では、日本の労働者の収入格差はアメリカより大きくなっている。

収入の少ない高齢の労働者が増えていることもあるが、どの年齢層でも非正規雇用が増えていて、富める者と貧しい者の格差が広がっているのは確かだろう。

税金や社会保険料を引いた手取りのデータだと、各国のジニ係数はまた違ったものになるかもしれない。しかし近年の日本の税収をみると、所得税が減り消費税が増えている。税収に占める割合は、1990年度では所得税が43.3%、消費税が7.7%だったが、2023年度は順に30.3%、33.7%と逆転している(財務省統計)。収入格差の是正の観点から税金には「累進性」を持たせ、再分配の機能を強化するべきだ。

<資料:ILOSTAT explorer

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正米、ホルムズ海峡再開で最後通牒 イランは停戦提

ビジネス

サプライチェーン圧力上昇、3月は23年1月以来の高

ビジネス

FRB利下げ可能、AIによる生産性向上で物価下押し

ワールド

レバノンのキリスト教政党幹部死亡、イスラエル空爆で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中