「ワグネル」もう1つの戦場...中東の「覇権争い」に、ロシアとエジプトまで絡んだスーダン紛争の奇々怪々
Really a Proxy War

エジプトの微妙な立場
ワグネルを介したUAE、RSF、ロシアの3国関係は、22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で強固なものになった。ロシアは欧米からの制裁の影響を和らげるために、金などによる資金調達への依存度を高めている。米財務省は今年6月、ダガロに関連のある企業でそれぞれスーダンとUAEを拠点とする金産業2社と、ブルハンにつながる防衛関連企業2社に制裁を科した。
一方でサウジアラビアは、スーダンの平和を構築する人道主義者としてのブランドを確立しようと精力的に動いている。サウジアラビアのジッダでアメリカを交えた停戦協議を主催し、スーダンの内外の人々を支援して、多くの市民をスーダンの首都ハルツームから避難させる手助けをしている。
サウジアラビアの盟友であるエジプトのアブデル・ファタハ・アル・シシ大統領も、スーダン国軍が完全な支配権を取り戻すために上空支援を中心に援助している。
アナリストたちは、RSFと戦うブルハンを助けるために、エジプトがスーダンへの本格的な侵攻を検討しているのではないかと示唆してきた。実行されれば、サウジアラビアの対スーダン投資は確実に守られ、アフリカへの影響力も拡大するだろう。
もっとも、ジャーナリストのモハメド・サレムが指摘するように、エジプトはジレンマに陥っている。彼らには「資源も、戦争をしたいという欲望もないが、この状況を無視できなくなっている」。
スーダンをブルハンもしくはダガロが支配して、それによりサウジアラビアもしくはUAEの影響下に入れば、湾岸諸国のパワーバランスは変化し、2国間の緊張はエスカレートするだろう。
ただし、現在の紛争がスーダンにもたらす結果は、そこまで明快ではなさそうだ。リビアと同じようにスーダンはさらに分裂して、民族や部族の境界線に沿って細分化されるかもしれない。
スーダンの紛争は、サウジアラビアとUAEの双方にとって、地域でのプレゼンスと支配を拡大する好機である。
サウジアラビアとしては、国軍の完全勝利が、アラブ・イスラム世界のリーダーとしての自分たちの地位を強化する。UAEとしてはRSFが優位に立てば、中東におけるサウジアラビアの支配力を弱めることができ、自分たちの勝利につなげることができるだろう。
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