最新記事

海外旅行

女性が声を荒げただけで罪に問われる世界的観光地はどこ?アメリカ人インフルエンサーが陥った無知の罠

Influencer Facing Jail in Dubai 'in Panic Mode and Afraid,' Mom Says

2023年7月19日(水)21時59分
クロエ・メイヤー

要注意!有名なラグジュアリーホテルをバックに自撮りする外国人観光客 frantic00-Shutterstock.

<世界的観光地として人気を集めるドバイで、旅行中のアメリカ人女性インフルエンサーが口論の中で「怒鳴った容疑」で告発され、2カ月半も「拉致」られ恐怖に震えている>

水深60メートル、世界最深のプールで目にする「未知の世界」

 
 
 
 

休暇でドバイを訪れたアメリカの女性インフルエンサーが公共の場で大声を出したという理由で、投獄されかねない事態に陥っている。この女性の母親が、娘は 「パニック状態で恐れおののいている」と訴えた。

さまざまなソーシャルメディアで人気のアカウント「サッシー・トラッカー(大胆なトラック運転手)」を運営するヒューストン在住の運送業者ティエラ・アレン(29)は、ドバイでパスポートを没収され、2カ月半にわたって足止めされている。

アレンが滞在中の民泊施設から移動することができないのは、レンタカー会社の男性従業員と口論になった際に声を荒げた容疑で通報され、現地の警察による捜査の対象となっているからだ。

アレンの母親ティナ・バクスターは本誌の独占インタビューに応じ、これほど落ち込んでいる娘を見たことがなく、ストレスで心が折れているのではないかと心配している。

イスラム教徒の多いアラブ首長国連邦(UAE)の都市ドバイの法律は、欧米からの旅行者にとって衝撃的かもしれない。米国務省は、ドバイへの旅行を計画しているアメリカ人に「UAEの公序良俗に関する法律は、アメリカよりもはるかに厳しい」と警告している。違法行為には、公共の場での愛情表現、みだらな服装、公共の場での大声、悪態、口論などが含まれる。

夢見た休暇が悪夢に

3月から5月にかけてドバイに住む友人を訪ねる旅は、アレンにとって夢の休暇だったが、それは「悪夢」に変わったと、バクスターは本誌に語った。

アレンは現地で男友達とレンタカーを借りていたが、5月末、アレンの帰国予定日の前日に「ごく軽い接触事故」に巻き込まれたという。どちらの車にも最小限の損傷しかなく、レンタカーには保険がかけられていたというが、運転していたアレンの友人は警察に拘束された。

友人は1週間拘留されて、釈放された。だがアレンにとってドバイ警察との厄介ごとはそれだけではすまなかった。

トラック運転の旅の記録を配信し、TikTokで18万2000人以上、フェイスブックで6万1000人以上のフォロワーを持つアレンが母親に語ったところでは、レンタカー会社(ドバイの地元の小さな会社)から、車が警察に押収されたときに車内に残されていた私物を取りに来るよう連絡があった。

だが会社に到着すると、車内に置いてあった身分証明書と財布を返してほしいなら、大金を支払えと言われたという。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&Pとダウ上昇、米利下げ期待で

ワールド

米、イスラエルへの兵器輸送一部停止か ハマスとの戦

ビジネス

FRB、年内は金利据え置きの可能性=ミネアポリス連

ワールド

ロシアとウクライナの化学兵器使用、立証されていない
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 6

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 7

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 8

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 9

    ハマス、ガザ休戦案受け入れ イスラエルはラファ攻…

  • 10

    プーチン大統領就任式、EU加盟国の大半が欠席へ …

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中