最新記事
サイエンス

同性間性行動は「非生産的」どころか生殖にも進化にも貢献していた──最新サル研究

Macaque Monkeys Frequently Have Gay Sex

2023年7月12日(水)20時23分
ジェス・トムソン

「これらの知見は、同性間性行動は『自然と進化に反する』とする説(いわゆる『ダーウィンのパラドックス』)に対する反論を支持するものだ」。論文の著者らは、リリースのなかでそう述べている。

論文の著者らによれば、「マウントをとる側」になるか「とられる側」になるかについても遺伝性があるという。さらに、そうした役割は、集団内のオスの社会的地位とは、いかなるかたちでも相関していなかったとも述べられている。

また、同性間性行動は、子孫の減少につながるのではなく、むしろ集団の生殖能力にとって有益である可能性があることもわかった。

「同性間性行動の総計と、集団レベルでの子孫の数とのあいだには、有意ではないものの、肯定的な傾向が見られた。われわれの研究では、オス同士の性的なパートナーシップがあると、同盟的なパートナーシップを有意に予測できることがわかった。こうした関係性が利点となり、交尾相手のメスを獲得しやすくなるのとわれわれは考えている」とサボライネンは話した。

進化にも関係

この知見をほかの種にもあてはめることに対して、著者らは注意を促している。だが、この研究は結果的に、「同性間性行動は、ヒト以外の動物ではまれな異常行動である」とする考えに異を唱えるものだ、とも述べている。今回の研究結果は、同性間性行動が、集団のなかで適応を通じて進化し、集団の進化的適応度を高める可能性があることを示している。

「残念ながら、一部の人のあいだでは、同性間性行動が『異常』だとする考え方が残っている。悲しいことに、同性愛に死刑を科している国もいまだにある」とサボライネンは声明のなかで述べている。「われわれの研究は、同性間性行動がヒト以外の動物でも広く見られることを示している」

(翻訳:ガリレオ)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、今月初めの米軍による攻撃で兵士47人死

ワールド

EU、重要インフラでの中国製機器の使用を禁止へ=F

ワールド

イラン抗議デモ、死者3000人超と人権団体 街中は

ワールド

韓国、米のAI半導体関税の影響は限定的 今後の展開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 5
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 6
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中