同性間性行動は「非生産的」どころか生殖にも進化にも貢献していた──最新サル研究
Macaque Monkeys Frequently Have Gay Sex
「これらの知見は、同性間性行動は『自然と進化に反する』とする説(いわゆる『ダーウィンのパラドックス』)に対する反論を支持するものだ」。論文の著者らは、リリースのなかでそう述べている。
論文の著者らによれば、「マウントをとる側」になるか「とられる側」になるかについても遺伝性があるという。さらに、そうした役割は、集団内のオスの社会的地位とは、いかなるかたちでも相関していなかったとも述べられている。
また、同性間性行動は、子孫の減少につながるのではなく、むしろ集団の生殖能力にとって有益である可能性があることもわかった。
「同性間性行動の総計と、集団レベルでの子孫の数とのあいだには、有意ではないものの、肯定的な傾向が見られた。われわれの研究では、オス同士の性的なパートナーシップがあると、同盟的なパートナーシップを有意に予測できることがわかった。こうした関係性が利点となり、交尾相手のメスを獲得しやすくなるのとわれわれは考えている」とサボライネンは話した。
進化にも関係
この知見をほかの種にもあてはめることに対して、著者らは注意を促している。だが、この研究は結果的に、「同性間性行動は、ヒト以外の動物ではまれな異常行動である」とする考えに異を唱えるものだ、とも述べている。今回の研究結果は、同性間性行動が、集団のなかで適応を通じて進化し、集団の進化的適応度を高める可能性があることを示している。
「残念ながら、一部の人のあいだでは、同性間性行動が『異常』だとする考え方が残っている。悲しいことに、同性愛に死刑を科している国もいまだにある」とサボライネンは声明のなかで述べている。「われわれの研究は、同性間性行動がヒト以外の動物でも広く見られることを示している」
(翻訳:ガリレオ)