危ない「命令口調」「小さな過干渉」の蓄積...魔の2歳児イヤイヤ期を「やる気」に転換する方法
子どもに選ばせて個性を伸ばす
子どもの洋服、靴、食べ物は「親が選ぶもの」と思っていませんか? もちろん子どもに似合いそうな物や健康的な食べ物を親が「選んであげている」のでしょうが、少し見方を変えると、子どもの「個性」と「やる気」を引き出すチャンスを奪っているとも言えます。
デパートに子どもと一緒に行って、洋服や靴を子どもに選ばせてみましょう。すると2歳児でも好き嫌いがあることが分かります。子どもは同じような色やデザインばかりを選ぶかもしれませんが、そこから「自分はこれが好き!」という個性が生まれてくるのです。
もちろん幼い子どもに「好きに選んでいいよ」と言っても選び方が分からないでしょうから、最初は、「2つ、3つの選択肢」から選ばせてみてください。「赤と白どっちの服が好き?」と聞けば、子どもは「赤!」と自分の好みを教えてくれます。
子どもに選ばせると、変な物を選んだり、似合わなかったり、後悔することがあります。でもそれもまた経験なのです。自分で選んで失敗する経験は「考える習慣」を鍛えてくれます。次は失敗しないように、より深く、慎重に考えるようになります。
多くの親は「失敗したら可哀想」と子どもの選択にストップをかけてしまいます。子どもが失敗しないように親が先回りを繰り返していると、子どもは何かにつけて親の顔色を伺うようになり、自分の意思で何も決められない、周りに合わせて何となく生きる子に育ってしまう危険性があります。
子どもはいずれ自立して、自分の力で人生を歩んでいかなければなりません。自立への準備として、子ども時代に自分で決めて、失敗して、失敗から学ぶ経験を積ませてあげましょう。子ども時代のささいな失敗など、後の人生でいくらでも取り返すことができるのです。
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[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。